登山と旅のコース案内
ライティング:中村亮子/イラストレーション:落合恵/カメラ:宇佐美博之/モデル:落合恵、中村亮子
福島の冬のアクティビティといえば、やっぱりスノーシュー! 県内ではアクセスが便利で見どころの多い裏磐梯が特に人気です。でも楽しさはスノーシューだけじゃありませんでした。1泊2日でよくばりに冬の裏磐梯を満喫した山旅を、イラストレーターやクリエイターなどで作った山の会・岳泉会のメンバーが紹介します。
東京駅から郡山駅まで新幹線で1時間、そこから車で約1時間、磐梯高原の中心に位置する最大の湖、桧原湖に到着。湖はもちろん全面凍結しており、その氷上は雪が積っていて一面が真っ白だ。そこにポコポコとワカサギ釣り用のドーム型テントが点在している。湖畔で待っていると今日の釣りをアレンジしてくれた小椋さんがスノーモービルでお迎えにきてくれた。快晴の空の下、雪しぶきがキラキラと目に眩しい。私たちもモービルの後ろに引かれた木のソリに乗りこみ、さあ、いざ出発!
桧原湖の真ん中に到着! 奥に見えるのは磐梯山
正直、真冬のワカサギ釣り=氷上の上で小さなイスに座って震えながら釣りをするイメージだったが、実際は想像とはちがってドームの中はストーブが焚かれ暖かく居心地がすごくいい。中に入ると小椋さんたちが丁寧に釣りの手順を説明して下さった。針にエサとなる虫を刺すのはやや抵抗があったが、その他はとても簡単で取り組みやすい。5段の針にエサをつけた糸を穴にたらし、しばし待つ。待ってる間「1、2、3...」のリズムで手元を揺らすのが <誘い> 。これをしなければワカサギは寄ってこないらしい。釣れた時は針の揺れが違うので、そこですかさず10cm程釣り具を持ち上げて電動釣り具のスイッチを入れて糸を引く.....とてもシンプルなのだが、一連のリズムにはコツがあってなかなか釣るところまでいかないのだ。引き上げては釣れてない糸をみてはがっかりする私たち......。
とその時!微かにプルプルッと糸が揺れ、引き上げてみる…釣れた!! 一番下の針に小さくキラキラ光るワカサギが~~~!! ビギナーズラックか? まず初心者の私が釣れました。続いて落合さんも1匹GET! さあこれで大漁への道に…!! なんてうまくいく訳はなく、その後も数匹ずつしか釣れなかった私たちに最高で1日2000匹(!)を釣ったことのあるワカサギ名人・安藤さんが丁寧に指南してくれたりもしたのですが、やはりそんなに釣れませんでした(笑)。
毎週末、桧原湖に通っているという安藤名人曰く「今はワカサギの繁殖期、お腹に卵のいるメスはあまり食欲がないから、1月や3月に比べるとあまり釣れないんですよ」とのこと(とは言え名人は1日100匹ほどは釣れるそうです)。小椋さんや安藤さんの話を伺っていると、ここ桧原湖のワカサギ釣りがどんなに楽しいか伝わってくる。味も他とは段違いに美味しいらしい……早く食べたい….。
(上)安藤名人はほぼ毎週、埼玉から通ってくるのだとか
【桧原湖でのワカサギ釣りについて】
ワカサギ釣り施設にあらかじめ予約を入れておくことができます。施設の一覧と料金、レンタルについては裏磐梯観光協会のWEBサイトをご確認ください。
裏磐梯観光協会WEBサイト(ワカサギ釣り/桧原湖)
午後になってドームから出たら天候は一変し景色は真っ白!吹雪いていた。私達の釣ったワカサギ(名人が釣った分も分けてくださった.....)を大事に抱え、小椋さんの経営されている民宿森川荘へ。厨房にお邪魔して奥様がその場で持ってきたワカサギを調理して下さった。揚げたての唐揚げはサクサクほろほろ!あまりの美味しさにびっくりしてしまった。正直今まで食べたワカサギというのはもう少し苦みがあるのが普通だと思っていた。唐揚げなのにこんなに甘いなんて、と驚愕。もちろん 釣りたてのワカサギは本当に美味しくて、あっという間にペロリと平らげてしまいました。
(右上)「今度は秋に採れたて野菜を食べにおいで」と笑顔で見送ってくれた
ワカサギの美味しさを堪能した後、ハンドドリップで淹れる自家焙煎珈琲がおいしいと評判の「MOTO COFFEE」(現在の名称は「Rotten Row Coffee Roasters」) へ。ログハウス風の建物にかわいい看板、通りかかったら足を止めたくなるお店です。店内に入ると目に入るのは大きな焙煎機と広々とした厨房。珈琲のいい香りにふわりと包まれながら、吹き抜けになった2階の喫茶スペースへ。大きな窓に面した席からは一面の雪景色が美しく、遠く磐梯山まで見えそうだ。居心地のいいお家にお邪魔したようなホッとする雰囲気の中、私は珈琲、落合さんはカフェオレを頂く。中炒りのエチオピアの珈琲はフルーティな香りがほんのり甘く、こんな雪景色を見ながら南国を感じるのは不思議で楽しいなと思った。また裏磐梯に来たらふらりと寄ってみたいな。
(右下)お店では厳選されたコーヒー豆の販売も
Rotten Row Coffee Roasters
朝、天候はやや曇りで微妙な空。いよいよ今日は幻のイエローフォールへスノーシュー! 晴れてくれることを祈りながらホテルを出発。まずは裏磐梯ビジターセンターで地元ガイドの五十嵐さんと待ち合わせ。センターでスノーシューを借りて裏磐梯スキー場へ向かうと雪が降ってきた! どうなるんだろう?
標高が上がるとまた気温がぐっと寒くなってきたので、寒さ対策も万全にし、いざリフトへ乗り込みます!
冷たい風を頬に受けながら、リフトから真っ白いゲレンデを見渡すのは気持ちがいい。2つ目のリフトを降りる頃には雪も止み、前方には櫛ヶ峰と磐梯山のシルエットがうっすらと見えた。ひさしぶりのスノーシューだったので、改めて五十嵐さんに装着の仕方を教えてもらい安心のスタート! 昨晩の雪で辺りは新雪でキラキラしてる。ギュッギュっと雪を踏みしめる感覚が心地よい。
歩いてすぐ、何かの実に雪の綿帽子がのっている光景が広がる。「か、かわいい……!」
「ミヤマハンノキの実です。昨夜の雪が積もったんですね。でも僕もこんなの初めて見ました」と五十嵐さんも楽しそう。
五十嵐さん曰く、冬山と聞くと植物は冬眠状態? と思いきや、冬にしか見られない光景があるのだそう。真っ白い世界だからこそ、ツルウメモドキのような小さな赤い実のかわいさが引き立っていたりもする。
(左上)リフトは楽ちんだけど降りる時にちょっと緊張
(右上)雪が乗ってかわいいミヤマハンノキの実
(下)スノーシューは履き方さえ間違えなければ、便利な道具
確かに目をこらすとあちらこちらに発見があって何とも楽しい。これはゆっくりと歩くことのできるスノーシューならではかもしれない。調子に乗ってあれこれ質問攻めにする私たちに笑顔でお答えしてくれる五十嵐さんは東大卒の元エンジニアという経歴の持ち主。説明が丁寧かつ的確でわかりやすく、森の授業を受けてるような気分でした。
(下)木の幹に直接触れると温かい木と冷たい木があることに気がつく
20分ほど歩いただろうか、完全凍結している銅沼(あかぬま)に到着。夏は到底歩けない沼の氷上を歩くのはちょっとスリルがある。右手の山肌に噴気孔があることを教えてもらい、活火山である磐梯山の息吹を感じる。銅沼を通る頃、天候はちょうど吹雪いてきて、目の前に見えていた磐梯山もうっすらとしてきたが、その様子はまるで水墨画みたいできれいだった。
夏山では通れない大岩帯を通り抜けると、だいぶ雪も落ち着いてきて歩きやすくなってくる。
「あれ? 青空が見えてきましたよ!」空を見上げると確かに青い空が見えてきていた。イエローフォールまではあともう少し! もしかしたら到着する頃晴れるかも? なんて期待を胸にズンズン進む。
「見えるかな? 前方に黄色い色…..」と五十嵐さんが指し示してくれた方向を見ると……確かに黄色い壁が!!
「見えた!」あと少し! 目的地を見つけた途端足取りが急に軽くなる。どんどんと近づいてくる黄色い滝に胸がワクワクしてくる。
ようやく到着したイエローフォールは予想以上に大迫力で、その神秘的な黄金色は圧巻だった!!
元々ここは滝があるわけじゃなく、少しずつ湧きだした鉄分を含んだ水が黄金色に凍ってできた何とも不思議な自然の賜物なのだとか。
寒い時期じゃないとこんなに見事に凍らないし、年によって大きさもマチマチだという。
「今年は特に見事ですよ!」と五十嵐さんが教えてくれた。近づくと、さらに不思議なゴツゴツとした質感。きれいだなぁ……まるで蜜蝋のよう。記念写真を撮ったところで、五十嵐さんが即興で雪を掘ってテーブルと椅子をこしらえて下さった。イエローフォールを見ながら休憩なんて素敵すぎる! 私たちが駅で買った福島銘菓ままどおるを取り出すと、五十嵐さんもチョコ味を持ってきてくれたので贅沢にも2種類のままどおるでお茶会。冷えた身体に熱い飲み物が泣きそうになるほどに沁みて美味しかった〜!!
(左下)ままどおるは、ミルク味の餡を包み焼きした福島が誇る銘菓
帰路は樹林帯を抜けて戻ろうと五十嵐さんが提案してくれた。
不思議なもので、イエローフォールを後にした途端にまた雪が降ってきていた。ちょっと待っててくれたのかな? 裏磐梯の山の神様に感謝! また吹雪いてきたところで五十嵐さんが「手袋を見てください」と一言。
見てびっくり! 小さな雪の結晶が手袋に舞い降りては消えていく。肉眼でこんなにはっきりと結晶を見たのは初めてでちょっと感動した。冬だからといっていつも見えるわけじゃなく、湿度と気温によって見える素敵な現象なんだそう。これまた幸運!
山に登ると時々見てはあれなんだろう? と思っていた枝の上の鳥の巣のようなものについても五十嵐さんのおかげで謎が溶けた。
冬山だとまた特別に目立つので聞いてみると、なんと宿り木(やどりぎ)であるという。緋連雀(ひれんじゃく)や黄連雀(きれんじゃく)の糞に運ばれて、その木に寄生しているのだとか。夏山では到底届かない位置にあるので目立たないが、冬山だとすぐ触れそうな場所にあったりするのですぐに見つけてしまうのだな。
(右下)宿り木は冬の森に彩りを与えてくれる。それにしても、大きい!
途中、急坂を走り抜ける「ダウンヒル」を楽しみつつ、動物たちの足跡が見つかるという窪地へ向かう。
なんの足跡が見つかるかな? とワクワクしながら探してみると、、
「あ、ありましたよ!」五十嵐さんが指差してくれた場所には確かに何者かの足跡が!
(左中)森の奥に消える足跡の正体を推理中
なんの足跡か想像するのはいくつかポイントがあるそう。大きいか、小さいか、蛇行してるか…??まるで推理を解くように教えてくれるその姿に五十嵐さんが森の名探偵に思えてきた(この足跡の犯人はキツネでした)。
雪降る樹林帯は歩くだけでも楽しいのに、つららを食べたり、雪に全身ダイブで埋もれたりと五十嵐さんが雪の楽しみを次から次へと教えて下さる。まさしく冬山を遊び尽くすフルコースプランに日常の疲れを忘れて思いきりはしゃいでしまった。
ガイドさんと山を歩くのはこんなに楽しいのか、それとも五十嵐さんが面白い方だからか…多分その両方だけど、自分たちだけじゃわからない山の楽しみ方があることを知りました。
銅沼に戻ってきた辺りでまたしても青空が見えてきた! しかも今度は陽の光も眩しい完全な晴れ! 後方の山々の稜線もくっきりと見える。これって最後のご褒美? リフト前で五十嵐さんとゴールのハイタッチをして山を降りました。
裏磐梯のハイキングコース紹介や観光についての情報はこちらにも掲載しております
会津エリア
山を降りたらふと体の力が抜け、お腹も空いてきた私たち。五十嵐さんも時々いらっしゃるという山の駅食堂にてボリューム満点のラーメンを頂きました。裏磐梯といえは温泉水から作る「山塩」を使ったラーメンが有名だけど、ここはその山塩ラーメンの他にもボリュームたっぷりのトマトラーメンなどが人気。チーズも入ったトマトラーメンは少し洋風でピリ辛がくせになりそうで美味しい~! 山塩ラーメンもトマト入りやレモン入りなど創作的なメニューが多くてオリジナリティ溢れてました。お一人で切り盛りされているお母さんがまた明るくて楽しいのでそんな人柄も人気の一つなのだろうな。
山の駅食堂
さあ、裏磐梯の締めくくりはもちろん温泉へ! 郡山駅までの帰路に位置する温泉街、磐梯熱海へ向かいました。
所属する山の会・岳泉会メンバーとしては、ちょっと人が行かないような隠れた温泉に心惹かれる…ということで、辿り着いたのは共同湯「霊泉」元湯さん。日も暮れた静かな温泉街の路地裏、赤いランプが静かに灯ってる光景が何とも味があって、入る前から気持ちがグッと引き寄せられる私たち。「いらっしゃい」と迎えて下さった番頭のおじさんの何ともいい笑顔! 温泉入る前にすでに心がほぐれていくよう。
16時過ぎからは大人200円という破格の料金を支払うと、奥の浴場へ。浴室はシンプルながらも脱衣所などが小綺麗で嬉しい(最近リニューアルされたんだそう)。
中に入ると地元の方がシャワーの使い方や入り方を教えて下さった。浴槽は二つ。一つはすごく熱くて、もう一つはとてもぬるい。まず熱い方に汗をかく寸前まで入ったら、ぬるい方に入る。これを繰り返すこと1時間程入るのが地元流だという。とりあえず熱い方から足をそっと入れてみる…と、かなり熱い! ほとんど熱湯に近いように感じたが、頑張って入ってみるとじわりじわり身体に熱が入って気持ちよくなってくる。
しばらくしてぬるい方の浴槽へ。こちらはぬるいというより最初はほとんど水に感じるほど。こちらも慣れてくると身体に馴染んでくるのが不思議だ。元湯は源泉をそのまま浴槽に注いでおり熱い方は51度、ぬるい方は33度の掛け流し。アトピーなどの皮膚炎にも効くらしく、磐梯熱海の本来の泉質なんだとか。さすがに1時間は入れなかったが、出てみると身体はホッカホカに温まっていた。
最後はまた番頭さんの笑顔で見送られ、再び郡山から帰路につく。
思えば冬の裏磐梯、ワカサギ釣りからスノーシューまで冬の楽しみを凝縮した楽しい時間を過ごしたと共に、何よりいい笑顔にたくさん出会った2日間でもありました。
冬の東北は寒そう! なんて言っていたら勿体ない! 寒さを吹き飛ばす楽しさや人々の温かさがあなたを待ってますよ。
よくばり裏磐梯の旅、ぜひぜひ行ってみて下さい!
ともにイラストレーターや料理研究家などが作った岳泉会メンバー。会として山や温泉、そして山麓観光の楽しさを提案した書籍『よくばり温泉マウンテン』(パイ インターナショナル) を刊行。
桧原湖と小野川湖の間にある乙女沼畔に面したホテルで、裏磐梯でスノーシューやワカサギ釣りを楽しむにはうってつけのロケーション。部屋も広くゆったりくつろぐことができ、リーズナブルな宿泊料金も魅力。
北塩原村桧原字小野川原1092
裏磐梯ライジングサンホテル
小規模ながら雪質の良さとファミリーに優しいゲレンデが特徴のスキー場。イエローフォールにはリフトを乗り継いでアクセスできるので便利。スノーシューレンタルもできる。
北塩原村大字桧原字大府平山1170-5
営業時間:8:30~16:00
休業日:火、水、木曜日は休みのことがあるので、事前に確認のこと。
裏磐梯スキー場
五色沼自然探勝路の東側の入り口にあり、「裏磐梯」の自然にまつわる展示をおこなっている施設。スノーシューのレンタルもあるが、台数に限りがあるため注意。
北塩原村大字桧原字剣ヶ峰1093
開館時間:
夏季(4月1日~11月31日)9:00~17:00
冬季(12月1日~3月31日)9:00~16:00
入館料無料/休館日:火曜
裏磐梯ビジターセンター
コース中に登場しているスポットのおさらい
桧原湖
和風ペンション森川荘
Rotten Row Coffee Roasters
イエローフォール
山の駅食堂
湯元元湯
ワカサギ釣りは、福島の冬の大きな楽しみのひとつですね。熱心な方は関東からもシーズン中、毎週のように通ってきてくれますよ。桧原湖の人気の理由ですか? 桧原湖のワカサギは水がきれいなこともあって美味しいとお客さんは言ってくれます。そう言ってもらえると地元の人間としてはやっぱりうれしいですね。
ワカサギ釣りの楽しみは、たとえ小さなワカサギでも、自分の手で釣り上げる醍醐味でしょうか。釣果は時期や時間によって大きく違ってくるんです。氷に穴を空けて、その穴に糸を垂らして釣るのですが穴の位置が30cmずれるだけで当たりがぜんぜん違うんですよ。私も、お客さんが少しでも釣れるよう場所の選定にはずいぶん気を使っています。せっかく裏磐梯に来たのなら、ぜひ福島・裏磐梯の冬の風物詩を体験して欲しいですね。
スノーシューの楽しさは、五感全部を使って自然を体感できることだと思います。積もった雪のおかげで夏にはアクセスできない場所にも行けるので、例えば夏は高くて見ることの出来ない木の枝を間近で見たり、時には触ったり匂いを嗅いだりと、視点を変えることで自然がもっと楽しくなるんです。裏磐梯は、やっぱりアクセスの良さが特徴。それに今回のようにリフトを使えたりもするので、すぐに自然の奥深くに行けます。天気は変わりやすいですが、たとえ雪が降っていても、手袋についた雪の結晶を観察したりして視点を変えると楽しみはたくさん見つかるはず。
ガイドとしてお客様の安全確保は当然ですが、やっぱり自分たちだけではなかなか気づかない新しい視点を提供したいと思っています。単なる知識の押し付けではなく、自分たちが気づいて体感してもらうことで、お客様の世界が少し広がったら嬉しいですね。冬の福島県はイエローフォール以外でも、裏磐梯の五色沼や南会津の檜枝岐など楽しいスノーシューフィールドが揃っているので何度も遊びに来て欲しいと思います。