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猫も杓子もダブルストック文化

大朝日岳・銀玉水上の雪渓(13日)
大朝日岳・銀玉水上の雪渓(13日)

また、しばらく山出張しておりました。
大朝日岳に1回、会津駒ヶ岳&中門岳に2回、田代山&帝釈山に2回(うち1回は落雷の危険性があり途中敗退)。そして、朝日連峰の縦走を3回してきました。
もちろん降られはしましたが、この時期にしては割と天気に恵まれたほうかと思います。

南東北・福島・会津の名峰に登る
http://moku2-outdoor.com/mountaineering.html#meihou

中門岳のハクサンコザクラ(15日)
中門岳のハクサンコザクラ(15日)

普段、山をご案内するのは50代~70代くらいの方が多いです。
頻繁に山に登られている方や日頃から筋力トレーニングをされている方がほとんどなので、皆さん強い、強い。

ただ、その「強い」というのは足腰の筋力や心肺機能についてのもの。体の使い方を見ていると、バランス能力と柔軟性まで兼ね備えている方は少ないようです。
それは、昨今の山で見受けられる「猫も杓子もダブルストック文化」(と勝手に命名)も少なからず影響しているように思います。

朝日連峰・狐穴小屋から見る月山とご来光(18日)
朝日連峰・狐穴小屋から見る月山とご来光(18日)
大朝日小屋から見る小朝日岳と雲海(19日)
大朝日小屋から見る小朝日岳と雲海(19日)

確かにストックを持つことで上半身の筋力もうまく使い下半身の筋力を温存することはできます。
しかしながらそれは、大きな段差などで手を使って支えるために体を曲げたり、自分の体だけでバランスを保つということをしなくなるということでもあります。
とにかくストックに頼り、岩場や鎖場の通過もストックを持ったまま、という危険な光景も幾度となく目にしています。
話はズレますが、湿原にザクザクとストックを刺すというのもやめてほしいものです。

筋力や心肺機能については登山をすることでもある程度鍛えられるものですが、バランス能力と柔軟性については意識してトレーニングしないと加齢とともに確実に衰えていくものです。
より安全に山を楽しむために、バランス能力や柔軟性といった上手に自分の体を使うためのトレーニングも取り入れたいものです。

(りょう)

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