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高湯温泉と吾妻五葉松

高湯温泉は吾妻山麓の中腹に位置しており、裏庭が磐梯吾妻スカイライン浄土平とすれば、失礼ながらも前庭は「盆栽屋あべ」かもしれない。
吾妻山を自生地とする五葉松を種から育て、80年続く盆栽屋として現在は3代目が活躍している。

初代倉吉氏は吾妻山に自生する五葉松の、自然によって作られる樹形を基本とした「空間有美」という表現を確立した。これはその樹木の良いところを引き出して盆栽表現をしていくのだが、「空間に美を見出す」という独自の考え方が現在まで引き継がれている。手をかけた盆栽を吾妻山の峰筋に持って行っても、違和感なくその場に落ち着くという考えであり、これが「盆栽屋あべ」の歩んできた盆栽表現である。
私はそれらに、自然の恵みの温泉をありのままに利用させていただいている高湯との、共通する自然考を感じた。
その倉吉氏による技術本はヨーロッパで出版され、現在も海外からの愛好家が「盆栽屋あべ」を目指して来日している。

今回の掲載写真は先日に福島の施設で行われた「吾妻五葉松盆栽展」でのデモンストレーションの様子である。3代目の大樹氏は、まず樹形を整えてから「こうなると、この枝がいりません」とバッサリ。普段は枝を落としてから樹形を整えるという逆の手順で説明しており、大変にわかりやすく愛好家でなくても楽しめた。
それらを後ろで見守り、口も手も出さぬ2代目健一氏が頼もしい。

盆栽屋あべ公式FBはこちら↓
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