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2012.01.31(火) 19:17 取材記事(教育旅行)栃木県の石橋中学校2年生の皆さんが震災学習を実施しました。

齋川さんの話を聞く生徒の皆さん

スキー教室の様子

栃木県の石橋中学校2年生の皆さんが、立志式(※)を兼ねて、福島県内でスキー体験学習を実施し、1月25日にその一環として震災語り部学習を実施しました。
東日本大震災で被災した人の生の声を聞き、生徒の皆さんは「自分には何が出来るか、これからどう生きていくか」などを考え、自分自身を見つめ直しました。語り部を実施したのは、地震、津波、原発、風評被害と戦いながらも、1月に苺園を再開した、相馬市・和田観光苺組合の齋川一朗さんです。

※立志式とは武士社会で行われていた元服の儀にちなんで、14才になった人を祝う式のことで、中学2年生を対象に、その前途を励ます式です。自分を見つめ、自分の生き方を考える機会としてとらえることに重大な意義があります。

震災学習テーマ:東日本大震災~福島県の今とこれから

齋川さんからは、地震発生時から津波の恐ろしさなど、体験者としての生の声を聞きました。下記はその要約です。

「津波は、「波」ではなく、水の塊で大きな壁のように押し寄せてきた。自宅周辺は津波で状況が一変してしまい、がれきや船など流されてきたものが大きく、茫然自失になってしまった。しかし、その時に助けてくれたのが全国から来たボランティアの人たち。流されてきた物を一つ一つ撤去することから始めた。たくさんの人に支えられ、観光苺農園再開の日を迎えることが出来た。地元の子ども
たちにも作業を手伝ってもらい、これまで出来なかった交流を深めることが出来た。
今回の震災によりたくさんのものを失ったが、その一方で得たものもある。それは「助け合いの心」だと思う。私達が助けてもらったように、もしこれから何かがあったら今度は私達が助ける番になりたい。」

このほかにも、今回の宿泊施設であり、震災直後から避難者を受け入れてきた「ヴィライナワシロ」の中村さんからも、当時の様子について話を聞いたり、相馬市民が撮影した津波の映像などを見て、涙を流す生徒の方もいました。

震災学習後に生徒の皆さんにアンケートを実施したところ下記の感想が寄せられました。その一部をご紹介します。

・自分が思っているよりも、遥かに傷ついている人がいる。「関係ない」と思わずに生きていきたい。
・胸が締め付けられるくらい辛くて悲しい気持ちになった。福島の人の気持ちがわかることができてよかった。
・もし災害が起こったら、自分が自分の為に行動するのではなく、自分が人のために行動する、そういう社会にしていきたい。
・人を信じること、今を生きることのすばらしさ、あきらめない、何があってもくじけないことを学んだ。
・一人じゃないよ、と東北や福島の人に言ってあげたい。
・防災訓練や自然災害に対する危機感を持つ。
・「今日」という日は多くの人が望んでも来なかった「明日」。その想いを胸に強く前に進みたい。

立志式という節目の大切な式で、福島県で「未来を共に考える」震災学習を実施できました。

この取り組みは石橋中学校の先生方、生徒の皆さん、そして福島の人の思いで作り上げることが出来ました。後日、モデルコースや動画を含め、ホームページで公開したいと考えています。

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