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登山と旅のコース案内

会津エリア1泊2日

紅葉のトンネルから青い空を映し出す湿原へ!
色鮮やかな会津駒ヶ岳の旅

ライティング・カメラ:宇佐美博之/モデル:小宮山 花

尾瀬の登山口として知られる桧枝岐村(ひのえまたむら)は、周囲を名山に囲まれています。今回はベストシーズンのひとつ、秋の会津駒ヶ岳への山旅をご紹介します。
会津駒ヶ岳は日本百名山のひとつ。標高2,133mの山頂に大小様々な池塘が点在する湿原が広がり、標高を上げるに従って、広葉樹から針葉樹、森林限界の湿原と、三段階の紅葉が楽しめるのも魅力のひとつです。下山後の桧枝岐村は、山里ならではの楽しみがいっぱい。山と暮らす人々のおもてなしを存分に味わってください。

  • 1秋の会津駒ヶ岳登山
  • 2紅葉のトンネル!滝沢コース
  • 3駒の小屋と山頂、絶景の中門岳
  • 4富士見林道キリンテコース
  • 5檜枝岐温泉と湯上り天然水
  • 6山人(やもーど)料理
  • 7裁ち蕎麦と縁結び&縁切り祈願

1 秋の会津駒ヶ岳登山

滝沢登山口からキリンテ登山口まで、コースタイムは約10時間。充実の健脚向き周回コースに出かけます。会津駒ヶ岳の女性的な曲線を描く稜線では、湿原の草紅葉と共に、尾瀬や新潟県境の山々の大パノラマを堪能できます。秋風涼しい紅葉のブナ林を下山した後は、桧枝岐村の秘湯と深山ならではの食材をつかったおもてなし料理を味わいます。

アクセス情報

会津バス:会津高原尾瀬口駅~駒ヶ岳登山口 4本/日
会津バス(会津高原尾瀬口駅バス停時刻表)

2 紅葉のトンネル!滝沢コース

駒ヶ岳登山口バス停から下ノ沢沿いの林道に10台程度の駐車場があります。その先からすぐに登山道が始まり、ブナやカエデなど、色とりどりの紅葉のトンネルに目を奪われます。秋の柔らかな陽光に、落ち葉の薫り、どこを見上げても鮮やかな葉の賑わいがたまりません。

次第に、オオシラビソの樹々の間から三角屋根も可愛らしい駒の小屋が見えてきます。湿原の木道にいざなわれ、背後におり重なる山々の展望を時折振り返りながら、足取り軽く登山口から3時間半ほどで小屋へと到着です。

3 駒の小屋と山頂、絶景の中門岳

山好きのご夫婦二人で営業されている駒の小屋の前でひと休み。小屋のお土産品はどれも可愛くてついついお財布の紐が緩んでしまいます。今度訪れるときは、ランプの灯の下で一晩を過ごし、星空鑑賞でもしてみたいものです。

小屋から山頂を経由して中門岳往復で2時間弱。草原の中に大小さまざまな池塘を眺めながら木道を歩きます。中門岳には秋空を映し出す大きな池塘が、まるで風の声とともに寝そべっているようでした。休憩用のベンチで寝転んで風景を満喫した後は、巻道を利用して小屋へと戻ります。

スポット情報

会津駒ヶ岳 駒の小屋 あいづこまがたけ こまのこや

予約・問い合わせ:
080-2024-5375(受付時間6:00~19:20まで)
料金:
3,000円(税込・素泊まり)
営業案内:
4月下旬~10月下旬の営業(要問合せ)
URL:
駒の小屋WEBサイト

山頂を望む湿原に佇む可愛らしい三角屋根の小屋は寝具付き素泊り限定のお宿です。ランプの灯の下で過ごす山時間は何にも代え難いものです。売店ではオーナー夫婦の人柄の滲み出ている手作りお土産品の数々が魅力的です。

4 富士見林道キリンテコース

駒の小屋前の大津岐峠(おおつまたとうげ)方面へ伸びる尾根を使って下山します。キリンテ下山コースの分岐には1時間半ほどで到着。すっきりと晴れていれば正面に燧ヶ岳や平ヶ岳などの山並みが楽しめます。初夏には多くの高山植物に出合える道でもあります。分岐からキリンテ登山口までは歩きやすい道が続き、西陽に照らされたブナの森を抜けて沢を渡れば国道に到着です。

コースタイム

駒ケ岳登山口バス停 - [30分] - 滝沢登山口 - [1時間30分]- 水場 - [1時間30分] - 駒の小屋 - [20分] - 会津駒ヶ岳 - [50分] - 中門岳 - [50分] - 駒の小屋 - [1時間30分] - 大津岐峠 - [2時間10分] - キリンテ登山口 - [30分] - 駒ケ岳登山口

会津駒ヶ岳の登山コース紹介や観光についての情報はこちらにも掲載しております

会津駒ヶ岳イメージ

会津エリア

会津駒ヶ岳 あいづこまがたけ 2,132m

難易度:
中級
歩行時間:
1日目 5時間20分/2日目 3時間40分
おすすめ時期:
6月中旬~10月中旬

5 檜枝岐温泉と湯上り天然水

こぢんまりした檜枝岐村では、単純硫黄泉とアルカリ泉などさまざまな源泉の湯を愉しむことができます。下山後のお宿「民宿 松源(しょうげん)」から歩いてすぐの「公衆浴場 燧の湯(ひうちのゆ)」は、柔らかいお湯がお肌を包みこんで疲れを癒してくれます。早朝6時から入浴ができるので、朝靄の中で山肌が朝日に染め上げられていくのを眺めながらのんびり浸かるのもいいものです。
他にも「駒の湯」などの日帰り公共浴場が充実しています。コンコンと湧き出る山深い温泉は、身体の芯にじんわりと伝わる余韻が魅力。湯上りには近くの安宮清水で喉を潤すのがおすすめです。

スポット情報

公衆浴場 燧の湯 ひうちのゆ

住所:
南会津郡檜枝岐村上ノ台208-1
営業案内:
入浴料=大人1000円、子供500円(村内宿泊者割引あり)
営業時間は年度により異なるため最新の情報は以下のWEBサイトからご確認ください。
URL:
尾瀬檜枝岐温泉観光協会(公衆浴場 燧の湯) 

安宮清水 あんきゅうしみず

住所:
南会津郡檜枝岐村下ノ台353
URL:
尾瀬檜枝岐温泉観光協会(安宮清水) 

6 山人(やもーど)料理

民宿松源の夕食でいただける郷土料理「山人料理(やもーどりょうり)」は、檜枝岐村の厳しい自然環境の中で先人達が限られた食材を工夫しながら作りあげた料理です。そば、山菜、きのこ、川魚がテーブルいっぱいに並び、その素朴ながらも口の中に広がる味わいからは、保存や調理方法の奥深さを感じずにはいられません。檜枝岐村にはリピーターが多いと言います。季節を変えて同じ宿に何度も通いたくなるのは、四季で変わる食の彩と、檜枝岐の人々の温かいおもてなしがあるからなのでしょう。

※民宿松源さんは休業中です。(2021年3月現在)

7 裁ち蕎麦と縁結び&縁切り祈願

翌日は宿から歩ける距離にある檜枝岐歌舞伎の石段席や縁結び、縁切りの神様としても信仰されている橋場のばんばを散策しがてら、「まる家」で裁ち蕎麦をいただきます。檜枝岐の独特製法で作るお蕎麦は、布を裁つように切ることからその名が付きました。山人漬けを薬味にして食べる裁ち蕎麦は、爽やかな香りが広がり、初めて出合う味でした。会津駒ヶ岳の山旅の疲れも、桧枝岐村のおもてなしが忘れさせてくれます。山の風景だけでなく、登山口周辺の温泉や桧枝岐ならではの郷土料理など、たくさんの思い出をお土産にできる山旅でした。

(右)橋場のばんば:鎮守神社参道の途中に一際目立つ新旧の大きなハサミが目に飛び込んできます。元は水神様だったばんば様も今では縁切り縁結びの神様として拝まれているそうで、人々の想いが詰まったおびただしい数のハサミが奉納されているのも一見の価値ありです。

 
スポット情報

裁ちそば まる家 たちそば まるや

住所:
南会津郡檜枝岐村居平638
営業案内:
11:00~15:00/冬期休業(11月中旬~4月末まで)
URL:
裁ちそば まる家 

丸屋旅館の六代目が打つ裁ち蕎麦は山人漬などの薬味ひとつとっても、素材の純粋さが滲み出るお味。裁ち蕎麦のお供のはっとうはそば粉と餅粉で作られるもっちりとした素朴な甘さがたまりません。

8 まとめ

会津駒ヶ岳の山頂から見える山並みの美しさは格別です。駒の小屋で一泊して夕焼けに染まる風景を楽しむのも贅沢でしょう。また、湿原の中で咲き誇る初夏の花々を目当てに夏の登山を楽しむのもおすすめです。 そして何より、また会いに行きたくなるような心温まる地元の人々との出会いがあること。それが会津駒ヶ岳と桧枝岐村の醍醐味ではないでしょうか。四季折々の山人(やもーど)料理を目当てに再び訪れたいものです。

お立ち寄りスポット

ミニ尾瀬公園(サンショウウオ/山葡萄ジェラート)

気軽に尾瀬の自然を散策出来るように檜枝岐集落の外れに作られた公園です。散策はもちろん、写真美術館やカフェも併設されているのでゆっくりと過ごせます。

南会津郡檜枝岐村字左通124-6
9:00~17:00(受付は16:30まで)
営業期間=4月下旬~11月中旬
入場無料
尾瀬檜枝岐温泉観光協会(ミニ尾瀬公園)

手作り赤かぶ漬け 木賊(とくさ)温泉 平野物産店

商店の敷地内にある自社工場で地元のおかあさん達がせっせと作る奥会津の山菜や野菜やキノコの手作り加工品が買えます。特に季節限定の舘岩赤カブの漬け物は病みつきになる味。

南会津郡南会津町宮里字板橋1936
平野物産店

公衆浴場 駒の湯

会津駒ヶ岳の登山口にもっとも近く、登山客に人気の日帰り温泉。檜枝岐川に面し、ゆったりとした川の流れを眺めながら入浴できる。露天風呂と内風呂は石造り。ロッジ風の外観もおしゃれ。

南会津郡檜枝岐村下ノ原839-1
15:00~20:00(最終受付 19:30)
入浴料=大人700円、子供350円(村内宿泊者割引あり)
尾瀬檜枝岐温泉観光協会(公衆浴場 駒の湯)

木賊(とくさ)温泉共同浴場

檜枝岐の集落から車で約30分。集落には単純硫黄泉の岩風呂。西根川沿いの野趣溢れる混浴スタイルの湯船ですが、足下から直接湧き出る柔らかな硫黄泉は格別です。女性の方には湯浴みのレンタルもあります。

南会津郡南会津町宮里字湯坂
年中無休24時間
入浴料=300円
南会津町観光物産協会ホームページ(木賊温泉)

檜枝岐歌舞伎伝承館「千葉之家(ちばのや)

江戸時代より現代まで、脈々と引き継がれている檜枝岐歌舞伎。「歌舞伎伝承館」では国内でも貴重な農民芸能の歴史や演目の紹介をはじめ、当時の台本や歌舞伎の衣装、小道具などを展示している。

南会津郡檜枝岐村居平
入館無料/開館=4月下旬~11月上旬
9:00~16:00
尾瀬檜枝岐温泉観光協会(歌舞伎伝承館「千葉之家」)

スポットマップ

周辺スポット

コース中に登場しているスポットのおさらい

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