
2月4日は立春ということで、暦の上ではもう春となります。豊かな自然、息をのむような景色に恵まれた福島県は桜の季節をまもなく迎えようとしています。
実はあまり知られていませんが、福島県は日本で3番目に広い県で、同じ福島県でも地域によって気候や風景は千差万別です。
福島にいつ、どこに来ても素晴らしい季節を楽しめることはもちろんですが、なんといっても福島の桜は日本随一の美しさを誇ります。
県内でも気温の高い南東部から咲き始め、西部で最も遅く開花します。4月から5月にかけて福島を訪れれば、県内のどこかで桜が満開になっている状態を楽しむことができます。
本記事では数多ある県内の桜の名所から「人生で1度はみておきたい」桜の名所をセレクトしてみました。
1.小川諏訪(おがわすわ)神社【いわき市】見頃:4月上旬~中旬

小川諏訪神社の美しいしだれ桜は、500年以上いわきの地に根を下ろしています。
小川諏訪神社の赤い鳥居を背景に、本殿に優雅に枝を伸ばすしだれ桜は神秘的な情景を創り出してくれます。
桜の季節になれば、毎晩ライトアップされ灯籠とともに闇夜に浮かび上がる姿はまさに「和の精神」を象徴した名所であることは間違いありません。
小川諏訪神社は、1184年に創建されたと伝わっています。当初は福江大明神として創建された後、平安時代に現在の小川諏訪神社に改められました。
以来、平和と統一のシンボルとして、多くの地域の人々が参拝に訪れています。何世紀にもわたり、観光地として人気を博し、いわき市のシンボルのひとつとして認識されています。
また、茶臼山の麓にあるため、ハイキングコースも多く、周囲の景色を楽しむこともできます。
毎年、小川諏訪神社では季節ごとにお祭りも開催され、桜の時期以外も楽しめるスポットとなっています。
2.夏井千本桜【小野町】見頃:4月中旬~下旬

千本桜はその名の通り、川の両岸5㎞にわたって1000本のソメイヨシノが並んでいることで知られています。夏井川にかかる壮大な橋と桜のコントラストは、散策するだけでも心を満たしてくれます。
夏井橋の上から見る風に舞う桜や水面に映る桜は、周囲の田園風景と相まってまさに絶景です。
千本ものソメイヨシノは、鮮やかなピンク色の花を咲かせ、遊歩道に咲くスイセンの黄色が美しいコントラストを見せます。
桜を見るだけでなく、乗馬や釣り、川辺でのキャンプなど、さまざまなアクティビティを体験することもでき、古い町並みが残る夏井ならではの、土産物や伝統工芸品を購入することもできます。
3.花見山(はなみやま)【福島市】見頃:一年中

写真家の故・秋山庄太郎氏が毎年のように訪れ、「福島に桃源郷あり」と称賛したことで全国的に知られるようになった花見山の見事な庭園は、園主の阿部一家が山林だったところに一から花を植えはじめ、長い年月をかけて観光名所となりました。
園主の「人々の心が癒されれば」という想いから、1959年に公園として開放され、今では年間を通して花々を楽しむことができます。
春になると20種類以上の花が咲き誇り、園内を鮮やかな色で包み込みます。吾妻連峰の純白の雪と花とのコントラストは、まるで楽園に迷い込んだかのような印象を与えてくれます。
花見山公園は池の水の音、そよ風、花の姿や甘い香り、春のおいしい空気など、五感すべてで楽しむことができる庭園でもあり、とっておきの情報を知る100名以上のボランティアガイド「ふくしま花案内人」は多言語対応の庭園案内も行っているため、日本人も外国人も楽しみながら散策することができます。
4.三春滝桜(みはるたきざくら)【三春町】見頃:4月上旬~中旬

日本三大しだれ桜のひとつに数えられる三春の滝桜は、まさに圧巻です。
三春の滝桜は、推定樹齢1,000年といわれる日本最古の桜の一つでもあり、枝が滝のように流れ、その鮮やかな花びらは、千年以上にわたって訪れる人々を魅了してきました。
1922年に桜の木で初めて国の天然記念物に指定された歴史ある桜スポットでもあります。
高さ13.5メートル、桜の花は周囲20メートル以上にわたって流れ落ち、訪れる人を鮮やかな花で包み込みます。その滝のような荘厳な姿は、息を呑む迫力があります。また、周りには遊歩道が設けられ、360度あらゆる角度から滝桜を楽しめることができます。
夜、桜はライトアップされ、夕暮れから明け方までその美しさを堪能することができます。混雑を避けたい方は、朝や午前中早めの時間帯に訪れるのがおすすめです。
また、町内には約1万本もの桜の木があると言われ、町中が桜の名所だらけとなっています。
5.鶴ヶ城(つるがじょう)【会津若松市】見頃:4月中旬~下旬

「日本の桜の名所100選」に選ばれている鶴ヶ城は、春になると約1000本の桜が城とその周辺の公園を彩り、城壁の淡い色彩を引き立てます。
日本で唯一の赤瓦と白い城壁に映えるピンクの桜は一見の価値があり、鶴ヶ城天守閣の頂上にある展望台からは、桜の絨毯を眺めることができます。
桜の開花時期に合わせ、4月上旬から5月上旬の期間は「鶴ヶ城さくらまつり」のイベントが開催され、ライトアップされて夜空に浮かび上がる約1000本の桜の幻想的な美しさは、昼間とはまた違った桜の楽しみ方ができます。
郭内にある茶室でくつろいだり、美しい公園を散策したりした後は、会津若松市の豊かで興味深い武士の歴史に触れたり温泉で癒されるのもおすすめです。
6.日中線しだれ桜並木【喜多方市】見頃:4月中旬~4月下旬

日中線はかつてこの地を走っていた鉄道路線の名称でもあります。
現在は鉄道線路自体は閉鎖され、約3kmのサイクリングロードに生まれ変わっています。かつて走っていた蒸気機関車が展示されているのも見どころの一つです。
日中線沿いには約1000本のシダレザクラが立ち並び、通る人の足元まで枝を伸ばしており、間近に桜を感じることができる数少ない名所の一つでもあります。美しい桜のトンネルは絶好のフォトスポットです。
4月下旬には、日中線沿線で「さくらウォーク」も開催され、賑わいを見せます。
7.観音寺川(かんのんじがわ)【猪苗代町】見頃:4月下旬~5月上旬

春になると、観音寺川の土手沿いの約1kmの道が、ソメイヨシノやシダレザクラの花で埋め尽くされます。
両脇に咲き乱れる桜が手をつなぐように円を創り出し、まるで桜のトンネルを川が流れていくような幻想的な風景を楽しむことができます。
土手に生える草の緑と桜のピンクがとても美しく、遠くには「日本100名山」に選ばれる磐梯山が見え、川のせせらぎを聞きながら散歩するととても癒されます。
4月のぼんぼり祭りの期間中には、観音寺川周辺の通りは1000個以上のぼんぼりで照らされます。夜空を照らすぼんぼりは、桜をより一層引き立ててくれます。
夕暮れにはゆっくりと沈む太陽と一緒に花が照らされ、見事な光の演出を楽しむことができます。
以上、「人生で一度はみておきたい」福島の桜と名所 7選でした!
満開に咲き誇る千本桜から、枝垂れ桜まで様々な「福島の桜」ぜひお楽しみください。