「中村城」は別名「馬陵城」とも呼ばれます。昔、この地は天神山といわれ、中世にはその一部に館が構えられたこともありました。慶長16年(1611)に相馬利胤が築城して小高城から移り、明治初年に廃されるまで、260年間にわたる相馬氏歴代の居城として藩政の中心となりました。本丸のまわりには郭、濠、溜池、土塁、空濠などをめぐらし、二の丸を東西南北に、三の丸を東西北に配し、さらに岡田塁(岩﨑塁)、円蔵郭、蓮池などをおいて、この城をより堅固なものとしました。本城跡は、築城当時の姿をよく残しています。昭和30年2月4日に県の史跡に指定されました。
中村城跡一帯には藩政時代をしのばせる桜の古木が無数にあり、数百本の桜が一斉に咲き乱れる姿は圧巻です。城跡を囲む堀沿いの桜が見事で、浜通りを代表する桜の名所として毎年多くの行楽客で賑わいます。
また、5月には藤やツツジ、秋には紅葉など、四季折々の景色を楽しむことができます。