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安心への取組

1. 放射線の基礎知識(福島の今を知る 第4版より)

放射線を正しく知ることで、福島県の現状を知る

■ 放射能、放射線、放射性物質について

混同しやすい3つの言葉。情報を正しく理解するには、それぞれの意味を把握しておく必要があります。

焚火に例えると…

■ 放射線の種類と透過力

放射線が物を通り抜ける力は、種類によって異なります。放射線を遮るには、透過力に合わせた物質が必要です。

放射線の種類と透過力

■ 放射線の単位

放射性物質の種類によって放出される放射線の種類やエネルギーが異なるので、放射線が人体に与える影響は、放射能の強さ「ベクレル」で比較するのではなく、人体への影響の度合いを表す「シーベルト」で比較する必要があります。

Bq(ベクレル)

放射性物質に、どのくらい放射線を出す力があるのか

1Bq=一つの原子核が1秒間に壊変すること

Gy(グレイ)

物質や人体の組織に、放射線のエネルギーがどのくらい吸収されるのか

1Gy=重さ1kgの物質が1J(ジュール)のエネルギーを受けること

Sv(シーベルト)

人体が放射線によって、どのくらい影響を受けるのか

■ 半減期について

全ての物質は、原子核とそれを取り巻く電子によって構成されています。ウランなどの放射性物質は、この原子核と電子のバランスが不安定で、安定した状態になるために放射線を出します。このような変化を「壊変(かいへん)」といい、放射能はある一定の期間を過ぎると半減します。「半減期」とは、壊変によって始めの原子核の数が半分になるまでの時間です。放射性物質の種類によって半減期は異なり、長いもので100億年超、短いもので数秒のものもあります。

放射性物質(放射性元素)放出される
放射線※
物理学的
半減期
トリウム232α,β,γ141億年
ウラン238α,β,γ45億年
カリウム40β,γ13億年
炭素14β5700年
セシウム137β,γ30年
ストロンチウム90β29年
セシウム134β,γ2年
ヨウ素131β,γ8日
ラドン220α,γ56秒

※壊変生成物(原子核が放射線を出して別の原子核になったもの)からの放射線を含む

出典:(社)日本アイソトープ協会「アイソトープ手帳11版」より作成

■ 放射線の被ばくについて

外部被ばく

放射性物質が体の外にあり、その放射線にさらされること。被ばく量は、放射性物質から離れるほど少なくなります。

外部被ばく

内部被ばく

放射性物質は、体内に入っても放射線を発します。このように、体の中から放射線を受けることを内部被ばくと言います。

内部被ばく

■ 放射線の人体への影響

放射線が人体に与える影響は、いまだ謎に満ちています。現在、分かっていることは、多量の放射線を受けたとき、なんらかの症状が出ることです。また、放射線を受けた量が同じ場合、「一度に多量の放射線を受けた場合」と「少しの放射線を長期的に受けた場合」を比較すると、前者の方が大きな影響を受けることが分かっています。

放射線が健康に影響する仕組み

大量に放射線を浴びた場合、大人より子ども(12歳くらいまで)の方が、2~3倍影響を受けやすいといわれています。しかし、子どもが極端に放射線の影響を受けやすいということではありません。放射線の専門家が子どもへの配慮を呼びかけているのは、大人より将来の時間が長いためです。また、細胞分裂が盛んで、放射線の影響を受けやすいとされる乳幼児にいたっても、福島県の放射線量は心配するレベルではありません。各地のモニタリング結果は、母親や子供の健康に影響のない値を示しています。過度に放射線を心配するよりも、まずは保護者の皆さんが「放射線とは何か」を理解することが大切です。

■ 日常生活における放射線の影響

私たちは日常生活の中において「自然放射線」と呼ばれる宇宙線や空気中のラドン、普段口にする飲食物など、自然界に存在する放射線によるある程度の影響を受けています。自然放射線の量は地域によって異なります。また、自然放射線のほかに、人工の放射線があります。主に医療で受けるものが多く、例えば胃のX線検査は1回の撮影で約0.6mSv受けることになります。国際放射線防護委員会(ICRP)は、一般公衆の線量限度を年間1mSv未満とすることを勧告していますが、CTスキャンなど1回に受ける線量が1mSvを超えるものがあります。

自然界から受ける放射線量

Ⓠ「人工」と「自然」、健康影響への違いは?
Ⓐどちらも性質は同じ、重要なのは被ばく線量です。

放射線物質には、カリウム40、炭素14のように自然界にもともと存在する自然放射性物質と、ヨウ素31、セシウム134、セシウム137のように自然界に存在しない人工放射性物質があります。自然放射性物質、人工放射性物質いずれの場合であっても、そこから出ている放射線の種類はアルファ線やベータ線、ガンマ線といった同じ放射線です。放射性物質から出ている放射線による被ばくの健康影響を考える場合、大切なことはどのくらい被ばくをしたか、つまり被ばく線量ということになります。

日常生活での放射線被ばく

単位:1mSv(ミリシーベルト) = 1,000μSv(マイクロシーベルト)

2. 福島県内の環境放射線量について

■ 福島県内の環境放射線測定結果 2020年12月31日現在

※帰還困難区域は随時見直しがされており、最新の情報については
経済産業省のホームページ(https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu.html ) をご覧ください。

測定値名放射線測定値福島第一原発
からの直線距離
喜多方市役所0.070μSV/h100km
会津若松合同庁舎0.060μSV/h98km
南会津合同庁舎0.040μSV/h115km
福島駅東口0.120μSV/h62km
郡山合同庁舎0.070μSV/h58km
白河合同庁舎0.060μSV/h81km
相馬市役所0.090μSV/h42km
大熊町大野0.430μSV/h5km
いわき合同庁舎0.060μSV/h43km
測定値名放射線測定値福島第一原発
からの直線距離
宮城県仙台市0.040μSv/h95km
東京都新宿区0.040μSV/h230km
愛知県名古屋市0.080μSV/h444km
京都府京都市0.070μSV/h544km
大阪府大阪市0.070μSV/h581km
奈良県奈良市0.060μSV/h560km
福岡県福岡市0.060μSV/h1,053km
長崎県長崎市0.040μSV/h1,141km

・東日本大震災・原子力災害から9年以上が経過した2020年4月現在、福島県内の環境放射線量は、帰還困難区域を除き、世界主要都市とほぼ同水準となりました。

福島県内の環境放射線量、最新情報はこちら

  • 福島復興ステーション~復興情報ポータルサイト~

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  • 福島放射能測定マップ

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3. 福島県の食品について(福島県教育旅行総合ガイドブックより)

福島県では、食品の安全性を確保するため、食品の放射線モニタリング検査を実施しております。厳しい基準をクリアした安全な食品だけが、市場に流通しています。

■ 食品検査体制

福島県では、生産段階、製造・加工段階、流通・転売段階、消費段階において検査を行うことにより、食品の安全性を確保しています。

■ 米のスクリーニング検査

福島県では、さまざまな機関に放射能検査機(ゲルマニウム半導体型、Nal型など)約1,000台を配置し、検査を実施しています。

※米については、平成24年産から県内で生産される全ての米を全量全袋スクリーニング検査し、安全性を確認してきましたが、平成27年産以降5年間基準値超過がないことから、令和2年産から避難指示等のあった12市町村を除いて緊急時環境放射線モニタリング検査に移行しました。

検査の仕組みについて詳しくはこちら

  • ふくしまの恵み「検査の仕組み」

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