> ニュース&トピックス > 2017.08.25(金) 11:36 東京都市大学等々力中学校において「什の掟プレゼン大会」の事後学習を行いました。
[取材内容]取材日:平成29年6月17日
学校へ戻った翌日17日は、同校において保護者が集まり、生徒たちによる「什の掟プレゼン大会」が行われました。初めにクラス内で予選会が行われ1クラス4班ずつ計20班が発表し、各クラスの代表となったチームが決勝大会に出場しました。
福島県で学んだこと、感じたこと、気付いたことをもとに、生徒たちが発表した什の掟の一部を紹介します。
[生徒が発表した什の掟と、定めた理由]
1.「日常を当たり前だと思ってはなりませぬ」
東日本大震災と原発事故の影響で、当たり前の生活が一変し、苦難を乗り切ろうと前へ進み続ける大熊中学校の生徒の姿から学んだ教訓とのこと。身近にいる家族や、周囲の友達を大切にし、感謝の気持ちを忘れないで日々の生活を送りたい。
2.「一つの情報に固執してはなりませぬ」
多くの情報があふれているネット社会では、福島県を検索すると「地震、原発、放射能」の結果が多く、怖いイメージや大変なイメージをもたれがちである。しかし、実際に足を運ぶと、自然が豊かで、人々もあたたかく悪いことなど何一つもなかった。ネットの答えが全てではなく、自分の目で確かめることが大切です。
3.「何事も諦めてはなりませぬ」
會津藩校日新館において学んだ、会津藩の諦めず戦い続ける精神。また、福島第一原子力発電所の事故の影響から復興へ向かう福島。幾度も大変なことが起ころうとも、決して諦めない志を持ち続けたいとの思いから決めました。
決勝大会ではこれまでの練習の成果を一人ひとりが思う存分発揮し、堂々とした発表が行われました。
【生徒のインタビュー】
「プレゼンテーションはとても難しかったが班のみんなが一丸となり、意見を出し合い、協力しながら、什の掟を立てることができた。福島県のことを人に伝えるためには、自分が正しい知識を身に付けたうえで、説明することが大切だと思った。中でも、震災の被害で大変な思いをされていた大熊中学校のみんなの声を実際に聞けたことが、自分の人生の経験においてもいい機会となった。また、鶴ヶ城や日新館で、会津の歴史を学ぶことができてよかった」 (山本 啓太 君)
「プレゼンのリハーサルを行った際は先生から厳しい意見をいただいた。大勢の前で、顔の表情を柔らかく、身振り手振りを交えながら発表するのはとても難しかったが、練習の成果を十分に発揮することができた。また、大熊中学校との学校交流は非常に印象的であり、これまでは東日本大震災の情報は、メディアでしか入ってこなかったので、実際に足を運ぶことによって、大熊中学校のみんなの思いを少しでも知ることができてよかった。鶴ヶ城の天守閣から見た素晴らしい絶景を見にまた福島に行きたい」
(鈴木 華乃 さん)
【保護者の感想】
「東京では、学べないことをたくさん学んできてほしいという思いを込めて送り出しました。普段は東京に住み、生活にも不自由することなく便利な社会に囲まれており、福島県で全く違う環境の中で学ぶことができて本当に良かったと思う。プレゼンの発表を聞いて、この数日間でものすごい成長を感じた。中学2年生は反抗期真っ只中の時期であり、福島県に行ったことにより自分を見つめ直す良いきっかけにもなったようだ。福島県に実際に足を運び、福島県を知ることは今が絶好の機会だと思う。帰ってきて「すごく楽しかった」という言葉を聞けた瞬間が、非日常的なことをたくさん学んできたのだと感じとることができ、親として最高のお土産でした。」
(高橋 愛さん のお母様)
【落合教頭先生の感想】
「今回の自己発見と共生の旅は、せっかくの機会でもあるため、福島に向かう何日も前から事前学習に励んだ。学校としても、あえて多くの課題を立て、班編成もクラスを解体して混合で班を組むという新たな取り組みも行った。そのため、生徒たちだけではなく、教員もチャレンジの旅であった。その成果は、本日の生徒たちのプレゼンの様子から、全員が数多のミッションをクリアすることができたと確信した。また、宿泊行事を通じて、クラス毎の垣根は無く、学年全体の温かさが出た。学校の教育理念であるnoblesse oblige(ノブレスオブリージュ~高潔な若人が果たすべき責任と義務とグローバルリーダーの育成)のもとに学ぶ生徒達はとても恵まれている存在であるが、社会に何を貢献できる人材になれるかそれなりの定めがある。今回学生たちが定めた什の掟が、明日以降の学校生活にどれだけ活かすことができるかが今後の課題となり、また、来年も福島県に行く予定であるが、更に良い旅にするためにはどうすべきか次につなげる準備を進めていかなければならないと考える。」
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