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2018.10.18(木) 09:04 取材記事(教育旅行)茨城県のつくば秀英高等学校が、富岡町で震災学習を行いました

震災当時のまま残されている町の風景

住宅の前に並ぶバリケードに驚く生徒たち

高台から富岡漁港を臨む

車窓から見える休校中の県立富岡高等学校

[日程]
全体日程  平成30年8月29日から8月31日(2泊3日)

[学校名・学年・人数]
つくば秀英高等学校 1年2組 19名(学年全体では275名)

[来県市町村]
富岡町、楢葉町、猪苗代町、会津若松市

[本県を訪れた目的]
 福島県で震災後の現状を学び、復興への思いを共有してほしいという思いから、第1学年の林間学校の一環で、平成27年度から本県で震災学習を実施している。昨年まで楢葉町で震災学習を行っていたが、楢葉町から7kmしか離れていない富岡町では復興の進捗が違うことを知り実施した。

[取材内容]取材日:平成30年8月29日(場所:富岡町内)
 1年2組が震災学習に訪れ、「富岡3・11を語る会」の青木淑子代表の説明をバスの車中で受けながら、富岡町内の視察を行いました。
 はじめに、夜の森地区を訪れた生徒たちは、避難指示区域の境目に並べられたバリケードに驚き、メモを取ったり写真を撮ったり記録を残していました。人が住んでいない住宅や放置されている車など、原発事故の影響を目の当たりにして、衝撃を受けている様子でした。
 続いて、津波の被害を受けた富岡漁港海岸付近では、バスを降りて高台から町を眺めながら説明を聞きました。海抜18mの高さがありながらも、自分たちが立っている場所に津波が来たことを知り、生徒たちはその威力の大きさに驚いていました。
 最後に立ち寄った県立富岡高等学校では、避難を余儀なくされ、校舎に戻れなかった当時の在校生に思いをはせた生徒たちは感慨深い表情で校舎を見つめていました。
 青木代表は「目で見えるものの奥にあるものを感じてほしい」と住宅の前に設置されたバリケードや倒壊した建物の前で、震災前に当たり前のようにあった人々の暮らしや、町の活気を思い出すように語りかけていました。
 生徒たちは、地震・津波・原発事故の影響を受けた富岡町の今を知ることで、今後の防災やエネルギーのあり方について学ぶ良い機会となっていました。

[生徒のコメント①]
 「7年が経過した今、町も整備されて、壊れた建物もすべて撤去されていると思っていたが、まだそれらが残っていて驚いた。地元ではあまり東日本大震災についてのニュースを見なくなってきているので、今日見た富岡町の風景を伝えて、震災の記憶の風化を防ぎたい。また、自分たちの身近な電力や原発の問題を、これからどうしていくかにも関心を持ち、二度とこのような事故を起こさないように考えていかなければいけないと思った。」
(1学年 湊大哉さん)


[生徒のコメント②]
 「一見普通の建物に見えても、中には人の気配はなく、庭の雑草は伸び放題で、復興には人が戻ってくることが必要だということを感じた。また、茨城県にも原発があり、そのことについて県民がどう考えているのか、話し合って考えを共有したいと思った。万が一、原発に不具合が起きたときに、東日本大震災での原発事故を教訓に正しい対処ができるかを、考える必要があると感じた。」
(1学年 柗元凱人さん)

[先生のコメント]
 「富岡町の案内をしていただいたことで、生徒は“百聞は一見にしかず”いう言葉の意味を実感したと思う。自分たちの目で見て、話を聞いて、震災から7年半が過ぎたが、復興という形でスポットライトが当たるところばかりではなく、まだ問題が山積していることが具体的に見えたはず。いつもは自撮りをする生徒が多いが、今日は自主的に富岡町の風景を撮影していたことが印象的だった。震災、原発について、とても難しい問題だが、今回の経験をもとに、自分自身でしっかり考えられるような力を身に付けてほしいと思う。」
(1学年担任 秋山雄希先生)

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