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2019.06.28(金) 08:37 取材記事(教育旅行)札幌市立新川中学校が修学旅行で来県。コミュタン福島や富岡町を視察し、原子力災害について学びました

福島第一原発の模型による説明

放射線を可視化する実験装置

富岡高校を案内するガイドの渡辺好さん

事故を免れた福島第二原発を臨む

[日程]
全体日程 令和元年5月21日から23日(2泊3日)

[学校名・学年・人数]
札幌市立新川中学校 3学年 113名

[来県市町村]
三春町、富岡町

[本県を訪れた目的]
 原子力災害に見舞われた日本の歴史をしっかりと見つめ、考えるきっかけとするため、コミュタン福島で学び、富岡町を視察した。

[取材内容]取材日:令和元年5月21日~22日(場所:三春町・コミュタン福島~富岡町)
 福島の現状と未来を学ぶことをテーマに、1日目はコミュタン福島を訪れました。館内で昼食後、ガイドの案内で2班に分かれ見学しました。福島第一原発の模型を用いた事故の原因と経過について説明があり、福島県にどのような被害をもたらしたのかを学びました。
 2日目は、「富岡町3.11を語る会」に所属する、震災当時は富岡高校の先生であった渡辺 好さんが現在は休校となっている県立富岡高校を案内しました。同校はバトミントンで活躍する桃田賢斗選手の母校です。現在は校舎の中には入れませんが、桃田選手の直筆で「メダルを取ってまた帰ってきます」のメッセ―ジの紹介もあり、苦難を克服し頑張っている桃田選手へ生徒たちはエールを贈っていました。その他、富岡町の現状を案内し、町民の復興への想いなどの説明もあり原子力災害の影響の大きさを感じていました。

[生徒のコメント①]
 「今回の見学旅行の行き先の一つ、コミュタン福島では福島の現状や放射線、環境問題について学び、環境シアターは、球体の内側すべてがスクリーンで360度全方位の映像が体験できる全球型ドームシアターになっており、大迫力で福島の自然の美しさや人々の温かさを感じとる事ができました。その他にも館内を案内してくださった方の説明はとても分かりやすく、福島県で実際に起きた災害について深く学ぶことができました。福島では除染が進み放射線による被害がどんどん減っています。しかし、震災から8年たった今でも風評被害は消えていません。その様な中でも福島の方々が前向きに生きていることを知り、自分自身当たり前の日常に感謝を忘れずに生きていこうと強く感じました。」
(3年 福井 馨野さん)

[生徒のコメント②]
 「私はコミュタン福島での研修と富岡町の語り部の方のお話しを聞き、東日本大震災の詳細やその後について知ることができました。原子力発電所の水素爆発のことは知りませんでしたし、2号機の話などはニュースだけでは知ることのできない情報だったのでとても貴重な体験でした。語り部の方やコミュタン福島で案内してくださった方の原子力発電所が水素爆発したことによって人々の生活が変わっていってしまった話や、国道6号線を走るバスの車窓から見る景色から、その言葉の意味を実感することができました。復興作業に関連するトラックが多く走っていることや、町の中でも行ける場所と一部いけない場所が柵で区切られているのを目の当たりにして、改めて原子力発電所の事故の深刻さを知りました。今回の修学旅行で学んだことは自分だけの経験や学びととらえず、自ら他のたくさんの人に伝えていきたいと思っています。」
(3年 鈴木 碧さん)

[先生のコメント]
 「原爆投下と原発事故をともに経験している日本であり、国民としてその事実をしっかりと認識し、原子力について自分がどうかかわっていくのか自分自身で考え、自分の意見を述べられるようこの視察を計画してきた。昨年11月には広島の原爆語り部から話を聞き、事前学習で原発事故の被害状況について調べ、今回の修学旅行に臨んでいる。本当に知るということは、その場所に行き、見て、聞いて、感じることだと生徒も思ったことだろう。憧れの桃田選手が富岡町の復興のためメダルを目指し頑張っていることも生徒たちには大きな励みとなり、苦難を乗り越える力を与えてくれたと思う。」
(担当教諭 丹羽 恒 先生)

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