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2021.10.25(月) 11:30 その他歴史と伝統、そして復興を感じる「大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)」の伝統工芸体験

手びねり体験

講師の窯元さんが丁寧に教えてくれます

大堀相馬焼の伝統的な作品

「なみえの技・なりわい館」の館内

■浪江町で技法が独自に発展した、特徴的な陶器

 大堀相馬焼は、福島県浪江町大堀地区でその技法が発展し、約三百年守り受け継がれてきた陶器の一種です。国の伝統的工芸品に指定されており、青みがかった色と細かなひび、走り駒の絵、そして製品が二重構造になっている二重(ふたえ)焼が特徴です。二重焼は入れたお湯が冷めにくく、熱いお湯を入れても持つことができ、寒い東北ならではの知恵が詰まっています。

 ●大堀相馬焼 紹介動画 https://youtu.be/kC9tyvCYO9U

■浪江町で生まれ、時代の波を乗り越えてきた伝統的工芸品

 約三百年前、相馬藩士・半谷休閑(はんがい・きゅうかん)の使用人・左馬(さま)という人物が今の相馬市中村で陶芸を学び、その技術を浪江町に持ち帰って窯を造り、浪江町の陶土を原料に茶碗を作製したのが大堀相馬焼の始まりと言われています。相馬藩の特産物として江戸末期には百戸以上の窯元が製作を手掛け、北海道から関西まで販路を広げましたが、明治時代になると藩の援助が無くなったことから窯元が激減しました。そこから徐々に再興しましたが、第一次世界大戦後の世界恐慌や第二次世界大戦で大打撃を受け、多くの窯元が廃業に追い込まれました。しかし経済成長の波に乗って復興を遂げると、昭和53年には国の伝統的工芸品の指定を受けました。

■震災に負けず、浪江町で作陶再開

 長い伝統が受け継がれてきた大堀相馬焼ですが、2011年3月11日の東日本大震災および原子力災害によって浪江町が全町避難を余儀なくされると、窯元も各地に離散しました。震災から10年半以上が経った現在でも大堀地区を含む浪江町の大部分が帰還困難区域に指定され、震災前の約半数の窯元が試行錯誤しながら移住先で作陶を再開しています。
 そんな中、2021年3月、「道の駅なみえ」に大堀相馬焼の展示見学・購入・体験を行うことのできる「なみえの技・なりわい館」が新設され、約10年ぶりに浪江町内で大堀相馬焼の製作ができることとなりました。各地に離散した窯元の作品が一堂に会し、大堀の地を離れても進化を続けてきた個性豊かな大堀相馬焼を目にすることができます。

■世界に一つだけの大堀相馬焼・陶芸体験【手びねり・絵付け】

 大人数で体験ができるのは、大堀相馬焼の手びねり体験と絵付け体験の2種類です。手びねり体験では、粘土状の材料をちぎったり伸ばしたりしながら、マグカップやお皿など好きな形に成形します。絵付け体験では、素焼きされた湯吞みやコーヒーカップへ好きな図柄を描きます。
 少人数(~5名)であれば、「なみえの技・なりわい館」館内で体験を行うことができます。20名までであれば、隣接する「道の駅なみえ」会議室で体験を行うことができ、さらに大人数であれば、近くの体育館等、広い会場にて体験を行うことができます。ただし、会場の空き状況にもよりますので、ご利用の際はお早目にご相談をお願い致します。
 どちらも体験から2~3ヶ月で完成品が学校まで配達され、生徒のみなさんの手元へ届きます。

 震災を乗り越え、浪江町に戻ってきた大堀相馬焼の歴史と伝統を感じながら、自分にしか作れない大堀相馬焼を作ってみてはいかがでしょうか。


 ●大堀相馬焼体験プログラム問合せ先

 問合せ先:0240-35-4917(大堀相馬焼協同組合)
 営業時間:10:00~17:00(毎週水曜定休)
 所要時間:手びねり・・・約2時間
      絵付け・・・約1時間
 対応人数:会場の大きさによるため要相談
 ウェブサイト:http://www.somayaki.or.jp/index.html (大堀相馬焼協同組合)

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