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2019.12.03(火) 14:44 取材記事(教育旅行)長野県木曽青峰高等学校が修学旅行ではじめて来県しました! 震災講話や放射線に関する知識を学びました。

講演後、全員と握手する五十嵐ひで子さん

船が着いた直後、活気ある相馬双葉漁港

あづま果樹園では手塩にかけたりんごをがぶり!

環境再生プラザで放射線に関する知識を学ぶ

[日程]
令和元年10月29日~11月1日
(本県の滞在は10月30日)

[学校名・学年・人数]
長野県木曽青峰高等学校 2年 154名

[来県市町村]
相馬市、福島市、二本松市

[本県を訪れた目的]
 2年生は災害をテーマにした学習を行っていることから、東日本大震災の被災地である宮城・福島県を修学旅行先に選び各県の被災地を訪問するクラス別研修を行った。
 本県では1組39名が「震災と原発事故の実態を学び、復興へ向けて生きる人々の生の声を聞くことを目的」に視察研修を行った。
 
[取材内容] 
取材日:令和元年10月30日 <1組39名>
 はじめに相馬市を訪れ、伝承鎮魂祈念館で震災語り部の五十嵐ひで子さんの講話を聴きました。東日本大震災の津波から九死に一生を得た五十嵐さんの体験講話は、予想以上に壮絶なもので、一緒に避難した夫を津波で亡くし、なぜもっと早く逃げなかったのか後悔した日々もあり、それでも亡くなった方々の供養として、語り部を続けてきた五十嵐さんの力強いメッセージ「自分の命は自分で守る」が心に響き、涙する生徒もみられました。最後は、全員が五十嵐さんと握手を交わし、お互いに感謝しあって、温かさに包まれました。
 その後は、相馬市観光協会の案内で、相馬双葉漁港、レナトス相馬ソーラーパーク、相馬市防災備蓄倉庫を見学しました。特に相馬双葉漁港では、震災と原発事故により衰退した漁業の復興に向けて、現在でも試験操業が続いていることや水揚げした水産物はすべて厳しい検査を行い、流通する物は検査をクリアした安全なものであることなど、その場で働く人から直接話を聴くことができ貴重な体験となりました。また、震災を教訓に設置された相馬市防災備蓄倉庫では、食料や水、避難所の備品などが大量にストックされている倉庫内を見学し、日々の備えの重要性を知り、防災対策の学びの多い研修となりました。
 午後は福島市に移動し、あづま果樹園の吾妻一夫さんから、果樹農家の現状や風評被害払拭への取り組みについて伺い、震災直後、風評被害に苦悩し、それでもおいしいりんごを届けたい一心で、農業を続けてきたという生産者の声を、生徒たちは真剣に聴き入っていました。
 最後は、環境再生プラザを訪問し放射線の基本知識を学び、食の安全や健康への影響について理解を深めました。
 震災当時の様子から、震災と原発事故で発生した多くの課題、そしてそれらをどう乗り越えて今があるかなど、地域の人の生の声を聞くことができた貴重な一日となりました。

[生徒のコメント①]
「町がとてもきれいだと思ったが、それは一度津波でなくなってしまったからだと思うと悲しかった。でも、住民の方と話してみて、それは復興を目指して尽力した地域の人々がいるからこそできたものだと感じた。ニュースや新聞では、抽象的な言葉でまとめられてしまうが、その奥には、そこに生きる人がいて生活がある。一人一人にフォーカスをあてることで、その存在の大きさを実感した。」
(2年 千村花凛さん)

[生徒のコメント②]
「町のいたるところに、津波の到達ラインが記してあるが、そこまで津波が来たことが信じられなかった。自分たちが生きるのは長くても100年。しかし、自然は100~1000年単位で変化し続ける。10年20年先の未来を考えるだけではなく、1000年先の未来を考えた“まちづくり”が必要だと思った。」
(2年 鈴木湧土さん)

[先生のコメント]
「現地で土砂や瓦礫を撤去することはできないけれど、風評被害は我々が正しい知識をもっていれば、防ぐことができる。生徒たちには無意識に情報災害の加害者にならないために、正しい知識を身に着けてもらいたい。実際来て、直接話を聴くことで、地域の人の強さややさしさをダイレクトに感じることができた。」
(中村祐介先生)

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