エンデューロライダー 近藤有介
レーシングライダー 伊藤真一
レーシングライダー 平忠彦
女性ライダー・モデル 福山理子
スタントライダー 小川裕之
女性バイクレーサー・タレント 西村ツインズ
ライダー&ライター 賀曽利 隆

賀曽利 隆さん

ライダー&ライター

賀曽利 隆 さん

1947年東京都生まれ ライダー&ライター
1968年にスズキの250㏄バイク、TC250で「アフリカ一周」を成し遂げて以来、「世界一周」、「六大陸周遊」…と世界を駆けめぐる。1982年には日本人ライダー初の「パリ~ダカールラリー」に参戦。1990年には50㏄バイクで「世界一周」。2000年の「サハリン往復縦断」&「韓国一周」以降は「東アジア走破行」で日本の近隣諸国を走っている。今年(2014年)は「アフリカ縦断・前編」の「ナイロビ→ケープタウン」を走破。これまでの走行距離は約135万キロ。「生涯旅人!」をモットーにしている。

福島最高!

 今年(2014年)もバイクで福島県を縦横無尽に走った。その皮切りは3月の「鵜ノ子岬~尻屋崎」の往復。鵜ノ子岬は東北太平洋岸最南の地で、岬の北側に勿来漁港(いわき市)がある。青森県の下北半島突端の尻屋崎は東北太平洋岸最北の地になる。2011年3月11日の「東日本大震災」以降、大津波の被害を受けた東北太平洋岸の全域を見ようと始めた「鵜ノ子岬~尻屋崎」だが、これはもうぼくのライフワークのようなもので、6月と8月にも走り、その回数は全部で10回を数えている。「鵜ノ子岬~尻屋崎」で一番辛いのは福島第1原発事故の影響でいまだに立入禁止のエリアがあり、浜通りの復興が他地域と比べると遅れていることだ。
 3月下旬には雪の奥会津を走った。奥会津はこの季節だとまだ冬同然。猛吹雪に見舞われて立ち往生したときは通りがかったパトカーのおまわりさんに助けられ、宿のご主人に車で迎えに来てもらった。奥会津のみなさんの心の温かさにふれた。4月には浜通りから阿武隈高地を走ったが、三春の滝桜が満開で大勢の人たちが花見に来ていた。5月には奥会津を再訪したが、山々の新緑の美しさといったらなく目にしみるようだった。
 7月には羽州街道を走った。起点は福島の桑折宿、終点は青森の油川宿。桑折宿の追分から小坂宿を通り、宮城県境の小坂峠を越えるまでが福島県内になる。8月には福島県の林道52本を走った。ひとつの県で50本以上ものバイクで走れる林道がある県は、ほかにはそうはない。福島県は大変な「林道天国」。さらに9月には隣接する茨城県、栃木県、宮城県、山形県、新潟県と福島県を結ぶ峠越えの林道を12本走った。そして最後は9月、10月の2度の「福島一周」。「福島一周」では2度とも「福島三大ライン」の磐梯吾妻スカイライン、レークライン、磐梯山ゴールドラインを走った。
 浜通り、中通り、会津と3つの顔を持つ福島県はツーリングには絶好のエリア。3地域の間には阿武隈高地、奥羽山脈もある。「峠を越えると世界が変わる」、バイクを走らせながら、その面白さを実感できるのが福島。さー、みなさん、福島を走ろう。福島最高!

( 2014.11.現在 )