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2024.07.29(月) 09:02 取材記事(教育旅行)山形県・九里学園高等学校の2年生が猪苗代湖で環境学習を実施しました

猪苗代湖畔でのビーチクリーン

増えすぎた厄介者の菱の実

回収したゴミは分別されて廃棄されます

猪苗代湖についての講話

[日程]令和6年6月13日~14日(1泊2日)
6/13 五色沼散策、猪苗代湖・水環境保全体験プログラム、裏磐梯・星空観察会とキャンプファイヤー
6/14 会津若松市内研修(鶴ヶ城、會津藩校日新館、飯盛山など)
※6月13日に実施した「猪苗代湖・水環境保全体験プログラム」を取材させていただきました。

[学校名・学年・人数]
九里学園高等学校 2年生 137名

[取材内容]
 山形県米沢市にある九里(くのり)学園高等学校の2年生が学年行事で来県しました。午前中、生徒の皆さんは裏磐梯の五色沼湖沼群をガイドの案内で散策し、午後からは環境学習として猪苗代町で「水環境保全体験プログラム」を実施しました。
 初めに、猪苗代町体験交流館「学びいな」で「猪苗代町の魅力」や「猪苗代湖から延びる安積疏水」「猪苗代湖で異常増殖してしまった水草の“菱(ひし)”を活用したソーシャルビジネスの歩み」「猪苗代湖の水環境の過去・現在・未来」について、各関係者から講話を受けました。生徒の皆さんが頷きながら真剣にメモを取る姿が印象的でした。質疑応答では積極的に手を挙げ、自分が日ごろ行っている探究学習から発想を広げた質問をする生徒もいました。
 その後、実際に猪苗代湖畔に行き、いなびし代表の長友さんの説明のもと、全員でビーチクリーン活動を行いました。生徒の皆さんは、先程話を聞いたばかりの見たことのない“菱の実”が予想以上にたくさん落ちていることに驚きながら、ごみ袋いっぱいに集めていました。さらに、湖岸に漂着した空き缶やペットボトル等のゴミも回収し、猪苗代湖の環境保全を一緒に考えました。
 ビーチクリーンの後は「学びいな」へ戻り、検査キットを使用した猪苗代湖の水質調査を体験したほか、プログラムの最後には商品化されている“ひし茶”を飲み、まさに五感をフル活用した1日になったようでした。

[生徒のコメント①]
 「住んでいる山形県は福島に近いこともあり、これまでに10回以上は猪苗代湖に遊びに来たことがありますが、今回お話を聞いたような“地域課題をもとに、一から作り上げてきた取り組み”については知りませんでした。自分は陸上部に所属していて、探究学習で食材の栄養をテーマにしているので、“ひし茶”の栄養価についても気になりましたし、自分の生活にも取り入れたいと思いました。午前中の五色沼ではガイドさんのお話から磐梯山の歴史が分かりました。明日は行ったことがない飯盛山にも行く予定です。今回は自分の知らないことをたくさん新たに知ることができました。学校に戻ってから今回学んだことを自分でも詳しく調べたいですし、普段の生活の中で何かもっと行動できることはないか考え続けたいです。」
(2年 歌丸 裕斗さん)

[生徒のコメント②]
 「午前中訪れた五色沼には、過去に家族と一緒に散策をしたことがありましたが、今回初めてガイドさんの説明で磐梯山と周辺の湖沼群の成り立ちについて学びました。噴火による大きな被害があったにもかかわらず、現在では多くの観光客が訪れる観光地になっており、“災害から生まれる恵みがある”ということが特に印象的でした。
猪苗代湖は初めて訪れましたが、想像していたよりも広く、水がきれいで、海や川とは違った魅力を感じました。また、厄介者とされる菱をお茶にしたり、畑の周りに撒いて動物による被害も軽減したりと様々な活用をしていて、“人の手で地域を守ろうとすれば自然のよさを伝えていける”ということを感じました。
 米沢も自然豊かな場所であるため、今回の研修で学んだことを地元でも活かしていきたいです。」
(2年 岩崎 みのりさん)

[先生のコメント]
 「参加した生徒が在籍する「ユニバーサル・コース」は、普段から地域の課題に触れ、週一度課題探究の授業で互いに意見を交えています。今回初めて猪苗代でのプログラムを体験しましたが、米沢にはない湖の課題を学ぶことができました。また、フィールドワークが好きな生徒が多いので、自然を感じながらビーチクリーンができよかったです。私自身、湖畔にこれほどたくさんの菱の実があるとは思いませんでした。生徒も夢中になって菱の実やゴミを拾って、貴重な経験ができました。
明日は会津若松へ行きますが、米沢と会津はどちらも城下町で歴史的に繫がりがあります。会津を知るということは、地元のよさや課題を見つける上でもとても大切です。生徒達には、週1回ある課題探究の授業の中で、福島県で得た地域課題の気づきを共有し、自分事として考えてもらいたいと思います。」
(九里学園高等学校 学年主任 遠藤 健先生)



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