相馬地方で7月に開催される伝統行事「相馬野馬追」は、福島県浜通り北部、南相馬市の雲雀ヶ原祭場地を中心に、2市4町1村で行われます。
その始まりは今から1000年以上昔、相馬氏の祖といわれる平将門が、下総国の小金ヶ原(現在の千葉県北西部)に放った野生の馬を、敵に見立てて捕らえる軍事訓練だったそう。さらに、捕まえた馬は神様に奉納して領内の安寧を願ったことから(神社に絵馬を奉納する起源に通じるとも言われます)、神事としての役割も果たしていました。相馬氏が現在の相馬地方に移り住んだ1300年代前半以降も、武士たちは技の鍛錬に励み、また、神馬を奉納して安寧を祈りました。こうして、武家の時代だった江戸期までは、相馬家の年中行事として野馬追が脈々と続いていきました。