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2019.03.29(金) 16:40 取材記事(合宿)千葉県の市川学園市川中学校サッカー部が、ホープツーリズムとサッカー交流を実施!

廃炉資料館で防護マスクの装着を体験

「さすけなぶる」で避難所の生活をシミュレーション

Jヴィレッジの天然芝でいわき市の中学生と対戦

雨天時でも練習可能な全天候型練習場

[日程]
平成31年3月25日から3月27日

[学校名・学年・人数]
市川中学校 サッカー部 1〜2年生 42名

[来県市町村]
富岡町、浪江町、楢葉町、広野町

[本県を訪れた目的]
 福島県の被災地を訪れ、ホープツーリズム(※)で学ぶと共に、復興のシンボル的施設であるJヴィレッジでのサッカー合宿を通して人との繋がりやチームワークを育むことが目的。
(※ホープツーリズム…復興に正面から向き合う「人々」との出会いや「福島のありのままの姿」を実際に見て、聴いて、学んで、希望を感じて自分自身を成長させる旅として、福島県が推進しているツアー。)

[取材内容] 取材日:平成31年3月25日~26日
 3月25日、富岡町に到着した同校は始めに昨年11月30日に開館した東京電力「廃炉資料館」を見学し、福島第一原子力発電所の廃炉への進捗を係員の説明と映像やジオラマで学びました。第一原発構内の一部で使用されているものと同じ防護マスクをかぶる体験では、その息苦しさや視界の狭さに驚き、生徒たちは廃炉までの長い道のりを想像し、自分たちがこの問題にどう関われるかを考えるきっかけとなりました。
 次の浪江町への移動中では、生徒たちは帰還困難区域内の国道6号を通過するバスの車窓から、バリケードが設置された家々、地震の影響でガラスが割れたまま老朽化が進んだ店舗を目の当たりにし、その光景に衝撃を受け、原発事故の影の部分を体感した様子でした。
 浪江町内では請戸地区を見学し、津波による犠牲者を出さなかった奇跡の浪江町立請戸小学校、請戸地区の犠牲者の慰霊碑が建てられている大平山霊園をめぐり、震災当日、混乱の中避難した住民の方々を想像することで、地域情報の把握や緊急の際の判断力の重要性を実感しました。
 続いて、浪江町地域スポーツセンターにおいて、避難所運営シミュレーション教材「さすけなぶる」を実践。これは、東日本大震災でのふくしまの教訓を、避難所運営で実際に起きた問題を解決していきながら学ぶワークショップ型防災教育ツールです。避難所で発生する様々な問題をモデルケースとして出題され、避難所運営側に立って多面的に捉えながら、解決方法を出し合いました。避難者の境遇を想像してその気持ちに寄り添うこと、そしてその場でコミュニティを築いて行動する重要性に気づいた講習となりました。
 翌26日は、Jヴィレッジでサッカー合宿を実施。いわき市立平第一中学校との合同練習では、初めて天然芝でプレイする生徒も多く、感触を確かめながら、積極的にピッチをかけめぐる意欲的な姿が見られました。
 午後は、両校合同のチームをつくり、交流試合を行いました。初対面のチームメイトともすぐに打ちとけ、プレイする部員たち。まさに、前日の「その場コミュニティ」の学びを生かし、瞬時に役割を判断し動く様子が見られました。

[生徒のコメント①]
「ニュースや新聞でしか福島のことを知らなかった。避難生活の大変さも考えたことがなかったが、実際にここにきて、他人事ではないことに気付いた。千葉で災害を受けた時に、こんな思いをするかもしれないと想像すると怖くなった。自分たちがこうして普通に暮らせることは恵まれていること。これが当たりまえではなく、もっと感謝の気持ちをもって生活しようと思った。Jヴィレッジの天然芝は走った感触が全然違う。とても柔らかく、足に馴染んでやりやすかった。こんなに広いコートがしっかり整備されているところは見たことがない。」
(2年生 井上照悟さん)

[生徒のコメント②]
「さすけなぶるの授業を聞いて、その場コミュニケーションについて考えた。サッカーはその場コミュニケーションの連続で、もしかしたら災害が起きた時には、この力が活かせるかもしれない。Jヴィレッジで練習ができることはとても貴重。福島県の中学生とも交流できてよい刺激になった。プロが使うコートを使って練習できるなんて信じられない。とても嬉しい。」
(2年生 石渡大翔さん)

[先生のコメント]
「部活が生徒たちになにを残せるのかをずっと考えていた。将来、大震災が発生した時に、地域や日本を引っ張っていくのはこの子達の世代。実際現地に来て立ち上がる方の話を聞いていれば、イメージも湧いて、その時どうしたらいいのか考えることができると思う。また、サッカーはチームプレイなので、コミュニティやチームの結束がもたらす周囲への影響などを目で見て耳で聞いて考えられたと思う。福島では部活で学んだことが実社会に活かせるような学習ができると思った。いろいろな立場の人の話を聞くことで、今はまだ完全に内容が分からなくても、将来大きくなったときに響くものがあるのではないか。この時期にこの経験をすることで、ニュースの見え方も変わってくると思う。そこから、真実を見定めようとする力が育まれた。」
(顧問 大澤和仁先生)

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