天鏡閣がある猪苗代町は、四季がはっきりしています。広葉樹の芽吹きの色で辺りが染まる春。県内でも開花時期が遅いソメイヨシノと青空を背景に建つ天鏡閣の美しさはことさらです。ゴールデンウィーク期間は、美しい新緑が楽しめます。

夏は、樹木が庭園に木陰を作ります。緑の梢を揺らして吹く一陣の涼風と蝉しぐれ。オニヤンマもゆうゆうと飛んでいきます。見上げる空が澄んで、高くなりはじめると秋です。レトロな赤レンガの表門から、両側のドウダンツツジの赤。玄関までのアプローチでは、黄色、オレンジ、赤と、錦をまとったモミジが空を覆います。桜紅葉を愛でたら南側庭園にも足を延ばしてみましょう。緋色に紅葉したモミジと常緑樹の緑のコントラストも必見です。

11月下旬になると館内にクリスマスツリーが飾られ、外は一足お先に初雪を迎えます。スモーキーグレイの洋館と庭園にふうわりと白い雪が舞い降ります。12月末には、雪吊りを施した松、冬晴れの空と積った雪の綿帽子をかぶった天鏡閣、冬季だけの景色を満喫できます。