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2024.12.04(水) 13:00 取材記事(教育旅行)滋賀県立石山高等学校が福島県で初めて修学旅行を実施しました

校舎に刻まれた津波の脅威を感じる(請戸小)

東北唯一の移動式水素ステーション

水素に関する先進技術に直接触れる貴重な体験も

浪江町の話では活発な意見が交わされました

[日程]令和6年11月5日~8日(福島県内2泊)
※11月6日に実施したコース別学習のうち、「新エネルギーコース」(35名)を取材させていただきました。
[学校名・学年・人数] 滋賀県立石山高等学校 2年 330名

[取材内容]
 滋賀県立石山高等学校が初めて福島県で修学旅行を実施しました。ホープツーリズムでは「農業」「水産業」「行政」など、9つのコースから希望する学習テーマを選び、それぞれの分野について学びました。
 「新エネルギーコース」に参加した皆さんは、最初に東日本大震災・原子力災害伝承館と震災遺構の浪江町立請戸小学校、大平山霊園を見学しました。伝承館では震災の威力を現在に伝える展示や被災者の声など、現地だからこそ知ることができる震災の記録に触れ災害に対する理解を深めました。
 次に浪江町棚塩産業団地内にある移動式水素ステーション「ナミエナジー」を訪れました。生徒の皆さんはふくしまハイドロサプライの今泉一徳さんから水素燃料の利点や特徴について説明を受けた後、東北で唯一同社が保有している水素供給専用トラックが燃料電池車に水素を充填する様子を見学しました。
 その後、浪江町防災交流センターに移動し、浪江町産業振興課の藤田知宏主査から町が推進している再生可能エネルギーに関する取り組みを聞きました。同町では原発事故を契機として原子力に頼らないまちづくりを目指しており、水を分解して生産する「グリーン水素」で生活に必要なエネルギーを賄う「浪江町水素タウン構想」を進めています。藤田主査から現在実証段階にある水素の柱上パイプライン輸送などさまざまな新技術について説明を受けると、「水素エネルギーの安全性について教えてください」「水素は保管と運搬が課題との説明がありましたが対策はありますか?」など次々と質問が上がり、水素を中心とした新しいコミュニティー作りについて高い興味を示していました。

[生徒のコメント①]
「学習テーマで新エネルギーを選んだのは、原子力や原発のイメージが強かった福島県が、水素などの再生可能エネルギーの先進地でもあると聞いてそのギャップがおもしろいと感じたからです。滋賀県では生活の中で水素エネルギーに関するものを目にする機会があまりないので、浪江町での取り組みが実用化されて早く全国に広まってほしいと思います。また、午前中に行った請戸小学校で震災時に小学生が大平山に避難して全員が助かったという話を聞いたことが印象に残っていて、これから自分も防災意識を高めていかなければと考えさせられました。」
(福原 史瑛さん)

[生徒のコメント②]
「以前から新しい技術などに興味があったので、今回のテーマ別学習では新エネルギーを選択しました。福島県で新エネルギーの実証が盛んであることは以前からニュースで見て知っていたのですが、今回町役場の方に浪江町水素タウン構想など具体的な取り組みを聞いたことで、再生可能エネルギーについての理解がすごく進みました。東日本大震災については何となく知識として知っていたのですが、今回、現地を初めて訪れて実際の様子を目にしたことで、震災の恐ろしさを改めて肌で感じることができました。」
(林 凌也さん)

[先生のコメント]
「これまで本校の修学旅行は、台湾や北海道、沖縄などで行うことが多かったのですが、福島県で初めて修学旅行を実施するにあたり、東日本大震災と原子力災害を学ぶことで新しい価値観を得たり、何かやりたいことが見つかる生徒がいたらうれしいと思い、準備を進めてきました。実際に来てみると原発周辺の町村はまだ人が少なく閑散とした様子で、こういうところが日本にもあるのだなと印象に残りました。原発事故でネガティブな印象を持っていた生徒もいたと思いますが、最初に見学した伝承館から展示をじっくりと見て回っていて、本当に一生懸命に学ぼうとしている様子が見られて驚きました。対話してくださった方たちからとても熱心に話をしていただき感謝しています。」
(2学年主任 野泉 武志先生)

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