INTERVIEW インタビュー

浜通り

いわきワイナリー マネージャー 四家 麻未さん

ワインはその土地を表現してくれるもの。
いわきのワイン文化を育てていきたいですね。

解放感のある素敵なショップですね。

 ありがとうございます。2015年からワインの醸造が始まったのですが、当初からワインの試飲をしたいというお客様の声がありましたし、そういうお店を作りたいという気持ちも初めからありましたので、2018年にこのショップを作りました。

ワイナリーとしても新しいんですね。

 いわきワイナリーは、農作業を通じて、ハンディキャップを背負った人たちに安心して自立した生活を送ってほしいとの思いから、いわきでワイン造りへの取り組みを始め、2010年に事業が立ち上がり、すぐにぶどうの木を植えました。ただ収穫まで3~4年かかりますので、その間は別の野菜を作ったりしながらぶどうの管理をしたり、山梨県のワイナリーでワイン作りの勉強をさせていただいたりしていました。2015年3月に酒造免許がとれましたので、そこからはいわきで採れたぶどうでワインを醸造しています。
 私は立ち上がりから関わってきたのですが、事業計画を立てて設備を揃えることから始まり、原料のことや、人、技術、販路などやらなければならないことが山積みで、この10年はひたすら走り続けてきたような気がします。
 でも、ワイナリーとして成長していく様子が目に見える変化としてありましたし、いわきのワイン文化を育てるために応援してくださる方々も多くてそれが力になりましたので、いろいろな人の思いに押し上げてもらってここまでこられたんだなと思います。

いわきで醸造したワインの特徴は。

 冷涼な気候で育ったぶどうは酸味が強調されたシャープなワインになり、温暖な気候で育ったぶどうは酸が少なくフルーティーなワインになるのですが、いわきはその間で、ちょうどよいバランスのワインができます。ただ、いわきに限らず日本はぶどうにとって降水量が多いので、ビニールをかけたり暗渠排水で水はけをよくしたりする工夫もしています。
 ぶどうは10品種栽培していますが、仕込み方や熟成方法などの違いで、ワインは約30種類ありますので、その日の気分やいろいろなお料理に合わせてお選びいただけます。

発酵食品としてのワインの魅力はどんなところでしょうか。

 実は日本のワインは同じ発酵食品の醤油や味噌、みりんを使った和食にも合うものが多いんですよ。意外かもしれませんが、肉じゃがに合うワインもありますし、いわき名物「あんこう鍋」とのマリアージュが楽しめるワインもあります。
 ワインの原料はぶどうだけで、酵母の力で発酵します。加水もしません。その土地の水を吸い上げてできるぶどうから、その土地を表現するワインができるところが魅力ですね。