INTERVIEW インタビュー

会津

会津中央乳業 専務取締役 二瓶 孝文さん

おいしい乳製品を届けるために、乳酸菌と発酵の研究は止まらない。

会津中央乳業さんといえば「べこの乳」でおなじみですね。

 当社では会津地方のおよそ3分の2の生乳を取り扱っておりまして、喜多方や猪苗代、磐梯方面の酪農家さんから毎日搾乳したての生乳が運ばれてきます。生乳は生ものなので移動する間に鮮度が落ち、風味が変化してしまいますが、酪農家さんたちと当社工場の距離が近いので、衛生的に搾乳された細菌数の少ない生乳が直接工場に運ばれ、鮮度を落とすことなくおいしいまま処理できるんです。
 新鮮でおいしい牛乳を届けることは、創業者である先代の二瓶四郎の思いであり、当社の原点。昔ながらの甘くていい香りを再現した「べこの乳」は、およそ10年の試行錯誤を経てたどり着いた「保持式」という方法で殺菌しています。風味と味わいはどの牛乳よりもおいしいと自負しています。

「べこの乳」を素にヨーグルトやチーズも商品化されていますね。

 当社のヨーグルトは2代目である二瓶孝也(現代表取締役)が発酵技術の研究を重ね商品化しました。それが今から50年ほど前のことで、福島県のヨーグルト商品の先駆けだったと聞いています。

商品の種類がさまざまですが、発酵のさせ方に違いがあるのでしょうか。

 一般的には生乳に乳酸菌やゼラチン、安定剤などを入れて発酵させますが、弊社ではそのような添加物を使用しないヨーグルトを数多く作っています。乳酸菌を加える分量や時間を変えることで「食べるヨーグルト」「飲むヨーグルト」など、味や口当たりの異なるヨーグルトができます。乳酸菌は、腸内環境を良くする働きをするものや、免疫力強化や血中コレステロールの低下に効果が期待できるものなど、数え上げたらキリがないくらい。最適な発酵のさせ方までの研究はなかなか大変なものです。

乳酸菌をはじめとした発酵食品の可能性は無限大ですね。

 菌の研究や発酵食品の開発には終わりはありません。大変さはありますが、その分、奥深さや面白さもある。だからこそ発酵は後世に残していかなくてはいけない大切な文化です。これからもお客さまに喜ばれる発酵食品を開発していきたいですね。