INTERVIEW インタビュー

中通り

ミドリヤ 代表取締役社長 村上 利勝さん ミドリヤ 工場長 村上 小枝子さん

納豆が苦手な方も好きになる、みんなが「おいしい」と思ってくれるものを作り続けたい。

「納豆一筋」のミドリヤさんですが、創業は何年ですか。

 創業は戦後まもない昭和28年で、もうすぐ70年になります。当初は台湾バナナの販売をしていました。でもバナナは夏場の商品のため、秋冬しかできない納豆を作ろうと考えたのです。その後、フィリピン産の安いバナナが輸入されるようになって、納豆に専念するようになりました。

そんな経緯があったんですね。納豆の原料の大豆はどのようなものですか?

 大豆の主な産地は北海道ですが、中国やアメリカ、カナダなどの外国産の大豆も使用しています。豆の大きさも極小、小粒、中粒、ひき割りなどあり、8種類の商品それぞれで産地を変えています。同じ品種でも産地が変われば固さや味もまるで別のものになり、出来上がった時の風味や食味、糸引きの強さまで変わってきます。だからうちでは、産地を指定して、年中一定の品質になるよう心がけています。

同じ大豆でも産地が変われば別のものになってしまうんですね。

 大豆に水を吸わせるにも、その時の天気や温度、湿度で浸漬時間が変わりますし、蒸し上げる時間も違ってくるので、長年の勘や経験が品質に大きな影響を与えるんです。
 一定の品質の商品を作るには毎日同じことをやり続ければいいというわけではないので、日々の変化を敏感に感じとりながら、おいしい納豆づくりに取り組んでいます。

何事も続けていくことは大変なことですね。

 うちでは学校給食や老人施設にも卸しているので、皆さんが食べやすいように、アンモニア臭を抑えたものや、大きさ、歯ごたえの柔らかさも考えて、大豆を厳選して作っています。小学生のお子さんを持つ親御さんから、「納豆嫌いだったのに、学校給食で出たミドリヤさんの納豆のおかげで食べられるようになった」という嬉しいお言葉をいただいたこともあります。そんな時は「納豆づくりを続けていてよかった」と思いますね。これからも「おいしいね」と言われる納豆づくりに励んでいきたいと思います。