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浜通りモニターツアー 「オトナ贅沢癒やし旅」〜いわきで発酵リトリート体験〜

2022.6.20

2022年5月14日、15日、「オトナ贅沢癒やし旅」~いわきで発酵リトリート体験~をテーマにした1泊2日のモニターツアーを浜通りで実施しました
-1日目-
①郡山駅
③道の駅なみえ
⑤リラックスロミロミセミナー・いわき湯本温泉古滝屋(泊)


-2日目-
⑨いわき・ら・ら・みゅう
⑩郡山駅
[1日目]
郡山駅を出発したバスは、一路最初の目的地を目指します。3時間程で到着したのは、2021年2月に民家をリノベーションした酒蔵「haccoba(ハッコウバ)Craft Sake Brewery」(南相馬市)。こちらでは主に地元南相馬市で栽培されたお米「天のつぶ」を使って酒造りをしています。特徴的なのが、伝統的な日本酒の製法をベースに、ビールの原料であるホップや、矢祭町産のラズベリーを入れるなど、これまでにない自由な醸造スタイルで酒造りに取り組んでいること。

代表の佐藤太亮(さとうたいすけ)さんは2020年に東京からご夫婦で移住。「日本酒づくりという古くからの発酵文化の素晴らしさや楽しさを多くの人と分かち合い、お酒を通じて地域を醸していきたい」と日々奮闘されています。
酒蔵の中はガラス張りの醸造場にパブスペースが併設された珍しいもの。お酒を仕込んでいる日は、その様子を眺めながらお酒と料理を楽しむことができます。

今回こちらでいただいたランチは「きまぐれ野菜のバーニャカウダ」と、佐藤さんが惚れ込んだという新潟県佐渡ヶ島にあるソーセージやサラミの専門店の本格的な「焼きソーセージ」、奥様が腕によりをかけた「鶏のココナッツレモンスパイスカレー」の3品。そして料理に合わせるのが東北に伝わる幻の製法「花酛(はなもと)」とドライホップで醸した「はなうたホップス」と矢祭町産のラズベリーを使用した「Raspberry bonbon」、ライムやクローブなどのスパイスを混ぜた「ジンジャーエールサケ」。このジンジャーエールサケは東京の飲食店と共同で開発した、市場には出回らない貴重なものとのことです。
こだわりのお酒とお料理を佐藤さんから一品一品丁寧に説明いただき、参加者はこれまで味わったことのない新感覚の日本酒とおいしい料理とのペアリングに舌鼓。心地良い気分で、佐藤さんのお話を聞きながら様々な風味を味わい、新しい発見を楽しんでいました。
haccobaを後に一行が向かったのは「道の駅なみえ」(浪江町)。ここでは震災で津波の被害に遭い山形県で酒造りを続けていた、地元浪江町の鈴木酒造店が酒蔵を構えています。店内では代表銘柄の「磐城壽(いわきことぶき)」をはじめ、呑む本みりん「黄金蜜酒(こがねみつざけ)」などが並び、参加者も店員に説明を受けながら、試飲や買い物を楽しんでいました。12種類の日本酒から選べるセルフの試飲コーナーや、甘酒ドリンクなどを味わうことができるカフェスペースもあります。
次に向かったのが「いわきワイナリーガーデンテラス&ショップ」(いわき市)。小高い場所にあるお洒落なお店の前にはおよそ50アールのぶどう畑が広がり、メルローやピノ・ノワール、デラウェアなど7種のぶどうが栽培されています。
マネージャーの四家麻未(しけあさみ)さんからぶどうの種類や栽培の仕方、ワインの保存法などのレクチャーがあり、参加者たちには学びの場になったようでした。
店内の地下にあるワインセラーを見学した後は、お楽しみの試飲タイム。ワインにピッタリのピクルスやチーズをカジュアルなペアリングスタイルで楽しみながら、白ワインの「甲州」、赤ワインの「フジノユメ」に大満足。目の前に広がるワイン畑を見ながらフレッシュなワインをいただく贅沢な体験を楽しんだ参加者は、お土産も購入してホクホク顔で今日の最終目的地へと向かいます。
ほどなく、宿泊するいわき湯本温泉の老舗旅館「元禄彩雅宿 古滝屋」(いわき市)へ到着。さすが「フラのまち いわき湯本温泉」とあって、ここではハワイアンロミロミで日頃の疲れを解消する「リラックスロミロミセミナー」が行われました。
講師は、ハワイアンロミロミのセラピスト、アロマテラピーアドバイザー、そして地元ラジオのパーソナリティなど多方面で活躍する立原(たちはら)めぐみさん。
立原さんの指導の下、ユーカリ、ラベンダー、レモンの精油とアーモンドオイルを混ぜたマッサージオイルのブレンド、マッサージの施術の仕方などを教わりながらマッサージを体験。参加者は、日常から離れ身も心もリラックスしていたようでした。

1日の締めくくりは、お楽しみの夕食と温泉です。新鮮なお造りやメインの伊達鶏の籠蒸しなど、心づくしの料理を味わい、疲れを癒す温泉でゆったり。皆さん大満足の様子でした。
[2日目]
宿を出発する前に、古滝屋16代目当主の里見喜生(さとみよしお)さんから「ぜひ、今回のツアーでいわきに息づいた発酵食文化に触れ、先人たちが残した知恵を感じてほしい」と、ごあいさつをいただきました。

この日、最初に向かったのは日本の食卓に欠かせない発酵調味料、醤油と味噌を醸造している「ヤマブン味噌醤油醸造元」(いわき市)。明治元年創業の蔵を守るのは五代目の鈴木勇雄(すずきいさお)さん。「うちのように麹づくりからやっている蔵は県内でも数えるほどです。全国的に見ても探すのが難しいくらいじゃないでしょうか。およそ150年継承してきた醸造の技術と文化、伝統を、自分の代で終わらせることはできません」と話してくれました。
小麦を焙煎する様子などを見学し、滅多に見ることができない手づくりによる行程や歴史を感じさせる大樽を前に、参加者たちも興味津々の様子でした。
今回は特別に、豆腐ときゅうりに味噌、醤油を添えたもの試食をさせていただきました。参加者も「うちで使っている醤油とまるでちがう」「味噌の味がしっかりしているから豆腐もきゅうりも甘さが引き立つ」など、その味の違いに驚いていました。

続いて訪れたのが、奥州三関のひとつ「勿来関の跡」がある県立勿来自然公園内の「交流スペース勿来(なっくる)」(いわき市)。こちらでいただいたランチは、自家製米麹の甘酒や有機野菜や糠床に漬け込み熟成させた豚バラブロックの焼き物、乳酸菌入りの特別栽培米の米粉を使ったシフォンケーキやロールケーキなど、発酵食をメインとしたこだわりの料理でした。参加者はそれぞれのメニューをじっくり味わいながら、発酵食品の優しいおいしさを堪能していました。
お腹を満たした後は、江名港前にある「山一中田商店」(いわき市)にお邪魔しました。このお店は鰹節や近海干物の製造直売所として、削り節や乾物の販売をされています。
店主の中田昌俊(なかたまさとし)さんから「鰹節はカビ菌をつけ天日干しにして完成する立派な発酵食品です」と説明があると、皆さんは驚いた様子で話に耳を傾けていました。その他にも鰹節の歴史や作り方、上手な出汁のとり方、保存法など詳しく教えていただき充実した見学となったようです。

ツアー最後の締めくくりは、小名浜港で水揚げされた新鮮な魚介類が揃う「いわき ら・ら・ミュウ」でのお買い物タイム。魚はもちろん牡蠣やホタテといった貝類や、干物、加工品などお土産を選ぶにも一苦労。
参加者も「あれもいいわね」「こっちもおいしそう」と目を輝かせながら買い物を楽しんでいました。
今回の浜通りの旅は、海沿いの風景に癒されながら、私たちの生活に溶け込んだ発酵食品について、その土地ならではの文化やおいしさと、それを丁寧に支えている作り手の方々の真摯な姿と熱い想いを再発見した贅沢なツアーになりました。