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2024.11.27(水) 10:17 取材記事(教育旅行)大阪府立泉大津高等学校が福島県で初めて修学旅行を実施しました

津波ですべて流された教室(請戸小学校)

震災の記憶と復興への道のりを学ぶ(伝承館)

大きく実ったりんごを自分の手で収穫

採りたてのりんごを丸かじり!

[日程]令和6年10月22日~24日(福島県内2泊)
※10月23日に実施したホープツーリズムとりんご狩りの様子を取材させていただきました。
[学校名・学年・人数]大阪府立泉大津高等学校 2年 218名
[来県市町村]福島市、会津若松市、北塩原村、楢葉町、双葉町、浪江町

[取材内容]
 大阪府立泉大津高等学校の2年生218名が修学旅行で本県を訪れました。同校が修学旅行を本県で実施するのは今回が初めてで、今年2月には事前学習として本県から講師を招き、県の概要や東日本大震災のことなどについて理解を深めました。
 当日は、午前中に震災遺構浪江町立請戸小学校と大平山霊園、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を見学しました。請戸小学校では破壊された校舎を見学して津波の威力を目の当たりにし、体育館の被害を見た生徒からは「災害時は体育館に避難するのが安全だと思っていた」と驚きの声が上がりました。
 その後に訪れた東日本大震災・原子力災害伝承館では、震災当時の証言や、原発事故で殺処分された家畜の姿など、普段知ることができない災害の現実を知り、熱心にメモを取ったり写真に収めていました。
 午後からは福島市へ移動し、市内のまるせい果樹園で果物狩りに挑戦しました。同園はサクランボや桃、ブドウなど季節ごとにさまざまな果物を栽培しており、この日は収穫時期を迎えていたりんご「陽光」を収穫しました。到着して最初に果樹園のスタッフから食べごろのりんごの見分け方や上手な採り方のレクチャーを受け、その後は思い思いにりんご狩りを開始。生徒の皆さんの多くが、初めてりんごの皮を剥いたり、皮のまま丸かじりするなど、制限時間いっぱいまでみずみずしい福島の味覚を堪能しました。

[生徒のコメント①]
「震災学習では伝承館が印象に残っています。震災によって破壊されたいろいろな展示物を見たことで地震の強さ、大きさが伝わってきましたし、その中でも被災された方の当時と現在の写真が並べて展示してあるスペースがあって、それを見たら震災を乗り越えて今も元気に生きている人が大勢いることが分かり、少し前向きな気持ちにもなりました。大阪に帰ったら家族と今決めている避難場所が本当に大丈夫なのか話し合ってみたいと思います。りんご狩りはとにかく楽しかったです。今までカットされたものしか食べたことがなかったのですが、採りたてはシャキシャキした食感がするんだと驚きました。これまで食べてきたりんごの中で一番おいしかったです。」
(安藤 楽生さん)

[生徒のコメント②]
「請戸小学校の給食室に大きな炊飯器が残っていたのですが、それがひどく折れ曲がっていて津波の威力の凄まじさを知ることができました。また、フィールドパートナーの方から聞いた、震災があった時期はとても寒くて、被災者の方は崩れた神社の木片を燃やして暖を取っていたという話も印象的でした。今回の修学旅行を通してテレビで知ることができる情報と実際に見て聞いたことでは全然印象が違うということが分かりましたし、被災者の方が避難生活で感じた辛さや悲しさを少し理解できたように感じました。果物狩りは今回が初めてで、大阪では普段あまりりんごを食べないのですが、噛めば噛むほどにジュースのように果汁が出てきてとてもおいしく、自分の手で収穫したこともすごく楽しかったです。」
(玉置 奏さん)

[先生のコメント]
「福島に来るのは初めてなので震災学習に向けていろいろと調べてきたのですが、ネットで得た知識と現地で感じるものは全然違うのだと強く思いました。特に請戸小学校では生徒たちも壊れた校舎にショックを受けている様子で、授業でどれだけ話を聞くよりも多くのことを学んでいたと思います。大阪では阪神・淡路大震災がありましたが、今の子供たちは当時のことを知りません。被災地を実際に目の当たりにして、自分たちの身にもこういうことがいつ起こるかわからないということを理解してもらい、人の命を守ることに役立ててもらえればいいと思います。」
(学年主任 上倉鉄平先生)

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